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ハンドルが急に重くなった|パワステとタイヤの関係

Citroën C15の油圧式パワーステアリング

いつもよりハンドルが重い。あるいは、走っている途中で急に回しにくくなった。パワステやタイヤに、何が起きているのでしょうか?仕組みと確認したいことを解説していきます。

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急に重くなったら、まず安全な場所へ止まる

助ける力が弱くなった場合も、タイヤ側の抵抗が増えた場合も、ハンドルの感触に関わります。
助ける力が弱くなった場合も、タイヤ側の抵抗が増えた場合も、ハンドルの感触に関わります。
図:メカニズモ(模式図)
ハンドルを助ける装置と、路面に接するタイヤの両方を考えます。
ハンドルを助ける装置と、路面に接するタイヤの両方を考えます。
イラスト:メカニズモ(形・位置の概略)

走行中に急に重くなった、引っかかる、まっすぐ走りにくい、という場合は、ハンドルをしっかり持ち、急な操作を避けて安全な場所へ止まります。操作が難しいときは走り続けず、救援を相談しましょう。[1]

走っている途中でエンジンや電源を切り、直るか試すのは危険です。警告表示や取扱説明書は、止まってから確認します。

力を入れれば回せるとしても、とっさに安全な操作ができるとは限りません。異常が続くなら、自分で整備工場まで走る前に、状況を相談してください。

ボルトくん

両手でぐいっと回せるなら、そのまま走っても平気なの?

ハグルマ先生

急に避ける必要があるときも、ちゃんと操作できないといけませんね。いつもと大きく違うなら、走り続けずに相談しましょう。

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重さは、助ける力とタイヤ側の抵抗で変わる

パワステが、ハンドルを回す力を助ける

タイヤの向きを変えるには、路面との抵抗などに負けない力が必要です。パワーステアリング、略してパワステは、その操作を助ける装置です。

助ける力が減ると、運転する人が頑張る分が増えて、重く感じます。反対に、パワステがちゃんと働いていても、タイヤや歯車などの抵抗が変われば、感触は変わるんです。[2]

止まっているときだけか、走っているときもか

止まったままタイヤの向きを変えるときは、路面との抵抗が大きくなります。そのため、低い速度でより多く助ける車もあります。

駐車するときだけ重いのか、走行中にも急に変わったのかは、点検のヒントです。ただ、調べるためにわざわざ走り出したり、急にハンドルを切ったりする必要はありません。すでに気付いたことを伝えましょう。

ボルトくん

駐車するときだけ重いなら、気にしなくてもいいの?

ハグルマ先生

いつもと比べてどうかが大切ですよ。同じ駐車でも、前より回しにくくなったなら、点検を相談したいですね。

油圧式と電動式では、調べる場所が違う

油圧式は、液体を送るポンプなどを確認

電動油圧パワーステアリングのポンプユニット
モーターで液体を送るポンプを回す、電動油圧パワステの装置です。
Stahlkocher at German Wikipedia / Elektro-hydraulische_Servolenkung.jpg / CC BY-SA 3.0

油圧式は、ポンプで専用の液体を送り、押す力でハンドル操作を助けます。液体の不足や漏れ、ポンプやベルト、液体の道を切り替える部品などが、確認する場所になります。[2]

エンジンでポンプを回す車では、エンジンが止まると助ける力にも影響します。発電機などと同じベルトを使う車では、ベルトの不具合で充電の警告なども出る場合があります。[3]

電動式は、電源やモーターなどを確認

モーターを備えたコラム式電動パワーステアリングユニット
ハンドルにつながる棒を、モーターで助ける電動パワステの実物です。
Samf4u / EPAS power steering column.jpg / CC BY-SA 4.0

電動パワステは、EPSとも呼ばれます。センサーでハンドル操作を読み取り、コンピューターがモーターを動かして助けます。電気の供給やセンサー、モーターなどに問題があると、助ける力が弱くなる場合があります。[2]

止まったまま長くハンドルを回し続けると、熱くなりすぎるのを防ぐため、一時的に助けを弱める車もあります。GR 86の説明書にも、この働きが書かれています。[4]

ただ、急に重くなった理由が、いつもこれとは限りません。警告が出る、何度も起きる、戻らない、といったときは、その車の指示に従って点検を受けましょう。

ボルトくん

ちょっと待ったら元に戻ることもあるんだよね。今回もそれなの?

ハグルマ先生

その可能性だけで決めないようにしましょう。警告や繰り返しがないかも大切です。安全に操作できないなら、救援を相談してくださいね。

タイヤの空気が足りないときも、感触は変わる

空気不足やパンクも確認する

車両の指定タイヤ空気圧を記載したラベル
車の空気圧の指定ラベル。写真の数値を、そのまま別の車へ使わないでください。
SCBY / Tire_and_Loading_Information.jpg / CC BY-SA 4.0
二輪車のタイヤの空気圧をエアゲージで測る様子
二輪車で空気圧を測る様子。空気圧の指定値は、自分の車のものを確認します。
JEG14 / ReifendruckPruefen.jpg / Public Domain

空気が足りないと、タイヤのつぶれ方や路面への当たり方が変わり、ハンドル操作に影響する場合があります。パンクや損傷で、片側へ流れるような感触が出ることもあります。[1]

安全な場所で止まってから、外から見える傷やつぶれを確認します。ただし、見た目だけでは正しい空気圧か分かりません。タイヤの状態を確認し、安全に点検できるなら、タイヤが冷えているときに、車の指定の空気圧と比べます。

空気を足すだけでは、原因は直らないことも

パンクで空気が抜けたなら、空気を足すだけでは解決しません。タイヤが傷んでいれば、ふくらんでも安全に走れるとは限りません。

タイヤ以外にも、ハンドルから車輪へ動きを伝える部品の引っかかりなどが考えられます。片側だけ重い、変な音がする、段差の後に変わった、といった情報も伝えましょう。

ボルトくん

タイヤの空気を多めに入れたら、ハンドルも軽くなるんじゃないの?

ハグルマ先生

空気は、その車の指定に合わせてくださいね。指定より多くしてごまかすのではなく、重くなった原因を確かめることが大切です。

整備工場には、変わった場面を伝える

伝えること 例えばこんな情報
変わり方 急に重くなった、少しずつ変わった
起きた場面 走行中、駐車中、段差を越えた後
左右の違い どちらも重い、片側だけ引っかかる
同時に起きたこと 警告、変な音、片側へ流れる、エンジンが止まった
最近変えたもの タイヤ交換、足まわりの整備、バッテリー交換

パワステの方式や、故障した部品の名前が分からなくても大丈夫です。安全を確保した後、気付いたことを伝えるだけで、点検のヒントになります。

よくある疑問

警告灯が点かなければ、大丈夫なの?

警告が出ない不具合や、タイヤ側の問題もあります。ハンドルの感触が変わったら、警告がないことだけで放置しないようにしましょう。

パワステの液を足せば直るの?

電動式は、ハンドルを助けるための液体を使いません。油圧式でも、減った理由や指定の液体を確かめる必要があります。方式が分からないまま足さないようにしてください。

関連記事

参考資料

  1. ミシュラン「ハンドリングの異常に気づいた時の対処方法」:操縦性の変化とタイヤの確認。
  2. ジェイテクト「ステアリング」:油圧式・電動油圧式・EPSの構造。
  3. JAF バッテリー警告灯が点灯している場合:ベルト切れに伴うハンドル操作や冷却への影響。
  4. トヨタ「GR 86 運転を補助する装置」:EPSの過熱保護。個別車種の例として参照しています。

アイキャッチ写真:Kakoula10 / Direction assistée Citroen C15 First 2005.jpg / CC BY-SA 4.0

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この記事を書いた人
ハグルマ先生のイラスト

ハグルマ先生

メカニズモ編集長

2016年より自動車業界に携わり、輸入車ディーラーや中古車販売店などで実務経験を積む。

自動車専門ウェブメディアの運営にも携わり、業界で培った知識と講師としての経験を活かしながら、車の構造や部品、メンテナンスに関する情報を分かりやすく発信している。

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