【簡単解説】タイヤの各部の名称・構造・役割・機能

【簡単解説】タイヤの各部の名称・構造・役割・機能 シャーシ

タイヤは車の部品の中で唯一路面に接している部品です。そんなタイヤの各部の名称・構造・構造・機能について、もう少し詳しく見てみましょう。

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各部の名称と内部構造

【簡単解説】タイヤの各部の名称・構造・役割・機能
Stanisław Skowron – 投稿者自身による著作物, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=1054158による

1.ベルト・・・スチールワイヤーを編んでベルト状にしたもの。接地面の強度を増して、異物の貫通を防止する役割を担っています。

2.カーカス・・・タイヤの骨格を形成する部分。タイヤが受ける荷重や衝撃などに耐える役割を担っています。

3.ビード・・・タイヤ内周のホイールリムに接する部分。タイヤをホイールに固定し駆動力を伝えるとともに、空気が漏れないように密閉する。

4.ホイールリム・・・ホイールの外周部のことで、タイヤと接合する部分。ホイールのサイズを表すインチとは、このリムの直径の事です。

5.トレッド・・・タイヤが路面と接触する部分。表面にはトレッドパターン呼ばれる溝の模様が彫られているのが一般的です。この溝はトレッドと路面の間に入った水を排出してスリップを防止したり、操舵性や乗り心地を向上させるといった役割を担っています。トレッドの両端部をショルダー部と呼び、カーカスを保護すると同時に走行時に発生する熱を発散させる役割を果たします。

6.サイドウォール・・・タイヤの側面。主にメーカー名やサイズなどが表されています。直接路面には接しませんが、走行中の路面の凸凹により激しく屈伸します。

ラジアル構造とバイアス構造

【簡単解説】タイヤの各部の名称・構造・役割・機能

タイヤの構造には大きく分けて「ラジアル構造」「バイアス構造」の2種類があります。この2つの構造の大きな違いはカーカスの配列です。カーカスが中心から放射状に配列されているのがラジアル構造、斜め方向になっているものがバイアス構造です。

バイアス構造は空気入りタイヤが登場したころにできた構造で、当時は主流でした。しかしバイアス構造の登場から約60年後にラジアル構造が発明され、その性能の良さから現在多くの車はラジアル構造のタイヤを採用しています。バイアス構造は今でも残っており、主に応急タイヤなどに採用されます。

タイヤの見方

タイヤのサイズはサイドウォールに記載されています。「275/35 ZR19」とあった場合、275=幅 (mm)、35=偏平率 (%)、ZR=速度記号(240超)、19=リム径(インチ)表しています。速度記号は下記の通りです。

速度記号LNQRSTHVWYZR(Y)
最高速度
(km/h)
120140160170180190210240270300240超300超

偏平率とは

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偏平率とは、サイドウォールの高さとトレッド(幅)の比率のことです。偏平率が低いほど高速走行時のグリップ性能、コーナリング時などの限界速度が向上します。しかしその反面、乗り心地が硬くなったり、路面の凹凸などを拾いやすなります。一般的に乗用車用では偏平率の高いものが、スポーツカーなどでは偏平率の低いものが採用されます。

タイヤの4大機能

【簡単解説】タイヤの各部の名称・構造・役割・機能

タイヤには4大機能と呼ばれる機能・役割があります。それぞれ見ていきましょう。

荷重支持機能

車体・乗員・荷物などの重さを支える働きをしています。

駆動・制動機能

自動車が走ったり、止まったりするには、エンジンなどからの駆動力やブレーキからの制動力を的確に路面に伝える必要があります。タイヤは路面との摩擦によって、その重要な役割を果たしています。

進路保持機能

自動車がドライバーの意思通りに、しかも安全に走るための機能を有しています。

緩衝機能

路面の凹凸によって発生する衝撃を吸収し緩和します。

この記事を書いた人
自動車ライター
YOSHIKI

1999年 東京生まれ。幼少期を自動車大国アメリカで過ごし、車に興味を持つ。レンタカー屋やBMW正規ディーラーを経て都内高級中古車ディーラーに勤務。愛車はGR スープラ RZ。

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