車のスタートボタンを押したり、鍵を差し込んでひねると、「キュルルルー」や「ドッキャッキャ」と音を立ててエンジンがかかります。簡単に説明すると上記のように言えますが、実際には様々な工程があります。もう少し詳しく、見てみましょう!
イモビライザーの認証
現代の車では一昔前のように鍵を刺して回すのではなく、ボタン1つ押すだけでエンジンがかかる車がほとんどです。ボタンを押してからエンジンがかかり始めるまで1秒もかかりません。ボタンが押されると、車の様々なところに電気がいきわたります。そして、まずイモビライザーと呼ばれる防犯装置が働きます。車の鍵にはIDコード書き込まれているチップが入っており、それを車本体に登録されているIDコードを照合し、一致した場合のみ、エンジンをかけることが出来ます。
フューエルポンプが動く
エンジンをかけるには燃料が必要になります。その燃料は燃料タンクの中にあり、フューエルポンプによってエンジンの方まで送られます。また、このフューエルポンプが動き始めると同時に、センサーとECUが繋がります。
ECUとセンサーが繋がる
ECUとは車の脳みそと言える存在。エンジンの全てを制御すると同時に、トランスミッションやブレーキの制御と協調を行っています。スタートボタンが押されると、車の至る所にあるセンサーにも電気がいきわたります。様々なセンサーから取得したデータはECUに送られ、処理されます。
スタータモーターが回る
イモビライザーの認証や、フューエルポンプ・ECUが動き始めると、バッテリーから大量の電気がセルータモーターに送られます。セルモーターは、エンジンを作動させるために、初動の役割を担っている部品で、これが回らなくなってしまうと、エンジンを動かすことができません。セルモーターに電気が送られると、ピニオンギアと呼ばれる小さな歯車が、エンジンにあるフライホイールと呼ばれる円盤状の部品に噛み込んでスタータモータは回転を始めます(マニュアル車の場合)。スタータモーターが回転することで、接続されたフライホイールが回り、エンジンがかかり始めます。