エンジンは動かす工程で吸気と排気を行ないます。この吸気と排気に大きくかかわるのがカムシャフトと吸排気バルブです。
カムの各部位の名称と役割
![カム](https://meccanismo.net/wp-content/uploads/2022/11/image-2022-11-21T193346.340-1024x683.webp)
吸気バルブと排気バルブの開閉にはカムが使われます。このカムは断面の形状が卵型をしており、突出している部分をカムノーズ、突出していない部分をベースサークルと言います。
カムシャフトとは
![カムシャフト](https://meccanismo.net/wp-content/uploads/2022/11/image-2022-11-21T193351.662-1024x683.webp)
そもそも、シャフトというのは棒という意味の言葉です。このシャフトにカムを通したものがカムシャフトです。カムシャフトが回転することで、カムが働き、エンジンのバルブを開閉することができます。例えば、直列4気筒エンジンの場合、ひとつのシャフトに4つのカムが組み合わされることになります。
吸排気バルブ
![ポペットバルブ](https://meccanismo.net/wp-content/uploads/2022/11/image-2022-11-21T193355.826-1024x683.webp)
吸排気バルブはポペットバルブと呼ばれる傘型のバルブが使われます。吸気バルブも排気バルブも弁を開けるときはカムシャフトなどで弁を押し付けて開け、閉じる時はバルブのステム(棒の部分)に巻き付けてあるスプリング(ばね)の元に戻る力に頼っています。
カムシャフトとバルブの動き
![カムシャフトの動き](https://meccanismo.net/wp-content/uploads/2022/11/WEBPのコピー-1024x683.gif)
通常、カムシャフトはクランクシャフトの回転に連動させるため、クランクシャフトに接続した歯車とゴムのベルト、またはチェーンなどによって動きます。4ストロークサイクルエンジンの場合、排気側、吸気側とも、クランクが2回転する間にカムシャフトは1回転します。
バルブを押す方式
![ロッカーアーム](https://meccanismo.net/wp-content/uploads/2022/11/image-2022-11-21T194430.504-1024x683.webp)
カムがバルブの後ろを押すタイプを直動式、ロッカーアームと呼ばれるアームを介してバルブを押す仕組みをロッカーアーム式と言います。
ロッカーアームとは、一種の「テコ」で、支点/力点/作用点があります。ロッカーアームは直打式と比べて、間にロッカーアームを挟むことになり、カムの高さを増したのと同じ効果を得ることができます。
シーソー式とスイングアーム式
ロッカーアームは、支点、力点、作用点の位置によってシーソー式とスイングアーム式の2つに分けられます。
シーソー式は、支点が中間にあり、その両端に力点と作用点があるものを呼びます。力点・支点・作用点の並びになります。この方式では、バルブリフト量(簡単に言うとバルブが動く距離)の増加の効果が高いのがメリットで、スイングアーム式よりも全長が長くなることが多いので、たわみが発生しやすいのがデメリットです。
スイングアーム式は、支点が一方の端にあり、力点が中間に、もう一方の端が作用点となるものを呼びます。支点・力点・作用点といった並びです。バルブリフト量の増加の効果は低いですが、ロッカーアームのたわみ量を少なくできるメリットがあります。