マルチバルブが主流な理由と役割

シリンダーヘッドエンジン

マルチバルブとは、4ストロークエンジンにおいて、1気筒あたりに3個以上のポペットバルブを用いるものを指します。

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何故バルブの数を増やすのか?

シリンダーヘッド

吸気バルブから混合気・または空気の取り入れや、排気バルブからの排ガスの排出はスムーズに行われなければなりません。スムーズに行うためには、バルブリフト量(バルブが動く量)やバルブを大きくすればいいのですが、バルブリフト量を大きくするとカムを回すのに大きな力が必要になったり、ピストンと接触する可能性もあるので限界があります。またバルブを大きくすると、同じくカムを回すのに大きな力が必要になったり、バルブが閉まるのが遅くなることにもつながります。そこで、現代では吸気、排気バルブを2つづつ持つ、4バルブが主流になっています。

主流の4バルブ

4バルブ

4バルブエンジンの吸気側の2つのバルブを大小に分けた物もあったり、同じ径のバルブを2本使うよりもバルブ面積を大きくできる場合があり、吸排気をスムーズに行う事が出来ます。一方で、部品の種類が増えることになるので、重量やコストが増えることになります。

姿を消した5バルブ

5バルブ
参照:VisioRacer

5バルブエンジンは吸気バルブを1つ増やして3本にしたものが一般的です。バルブの面積が広がるので、高回転化が可能になるメリットがあります。しかし、5バルブエンジンは熱が伝わりずらいなどの問題や、吸気効率が悪いなどのデメリットがあります。そのため、市販車では製造コストが高い割には効果が薄く、現代では4バルブが主流となっています。

この記事を書いた人
自動車ライター
YOSHIKI

1999年 東京生まれ。幼少期を自動車大国アメリカで過ごし、車に興味を持つ。レンタカー屋やBMW正規ディーラーを経て都内高級中古車ディーラーに勤務。愛車はGR スープラ RZ。

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