効率よくエンジンを動かすには、エンジンの回転数や吸排気に合わせてバルブの開閉する量やタイミングを調整する必要があります。その方法の一つが可変バルブタイミングシステムです。
可変バルブタイミングの仕組み
エンジンを動かすには空気が必要です。その空気を取り入れる役割を担っている部品の一つが吸気バルブです。バルブはカムによって開いたり閉じたりを繰り返しています。バルブが開くと、その隙間から空気が入っていくことになります。この可変バルブタイミングシステムというのは、この隙間の大きさを変えるシステムのことです。
エンジンの回転数や負荷によって、最適なタイミングやバルブリフト量は変化します。この可変バルブシステムには、バルブタイミングを変化させる可変バルブタイミングシステム、リフト量を変化させる可変バルブリフトシステム、両方を変化させる可変バルブタイミング&リフトシステムがあります。
可変バルブシステムの仕組み
現在最も普及している可変バルブ機構は位相変化型と呼ばれるものです。回転する位置を位相といいます。カムシャフトはカムスプロケット(またはプーリー)に固定されていますが、このカムシャフトを回転させることによってバルブタイミングを変化させます。このカムシャフトを回転させるのを油圧で行うものと、モーターで行うものがあります。一般的な機構として、カムスプロケット(プーリー)に内蔵されたアクチュエータが用いられます。アクチュエータとは空気圧・油圧などのエネルギーを機械的な動きに変換し、機器を正確に動かす駆動装置のことです。
油圧式
油圧は位相は2段階で切り替えられるのが一般的でしたが、中間ロックと呼ばれる、中間の位置でも固定できるタイプも登場しました。
電動式
電動式は、任意の位置で固定できるので、より細かい制御が可能で、切り替えのスピードが速いメリットがあります。当初は高コストでしたが、近年では低コスト化が進み、1.3Lクラスの小型エンジンにも採用が広がっています。