フライホイールの仕組み

フライホイールエンジン

フライホイールとは、マニュアル車のクランクシャフトの端に取り付けられている部品の1つです。主にエンジンをスムーズに回転させる役割を担っています。

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フライホイールの原理

フライホイール

フライホイールは日本語で「弾み車」と言われており、慣性の法則を利用して、回転のムラを抑えるための部品です。慣性の法則とは、物体に外からの力が働いていない(または力がつり合っている)とき、静止している物体はいつまでも静止し,運動している物体は等速直線運動を続けることです。これだけではイメージが付かないと思いますので、もう少し具体的に見てみましょう。

フライホイールの役割

エンジンの回転ムラを抑える

フライホイール

現在、ほとんどのエンジンは4サイクルエンジンを採用しています。この4サイクルエンジンではピストンが上下に往復しながら「吸気・圧縮・燃焼・排気」という4つの行程を繰り返していきます。このピストンが上下に往復することによって、ピストンと繋がっているクランクシャフトが回ります。上下の運動が横方向の回転運動に変わるのです。

しかし、これら4つの行程のうち、力が生み出されるのは燃焼行程のみです。残りの3行程では力を発生させることはありません。では、ピストンは燃焼した力で下方向に押し下げられたあと、どのようにして上方向に戻ってきて残りの3行程を行うのでしょうか?

そこで登場するのが、このフライホイールです。クランクシャフトの端に、円盤状の”重り”を持たせることによって、このフライホイールも回ります。こうすることによって、ピストンが下がっても、フライホイールの慣性によって、クランクシャフトも回転を続けようとします。

4気筒や6気筒といった多気筒エンジンであれば、どこかのピストンが下がりきった時点で別のピストンが爆発力を得ることができます。つまり、気筒数が多くなるほどエンジンの回転ムラが小さくなるため、フライホイールを軽くすることができるのです。

ただし、多気筒エンジンでも回転ムラがまったく発生しないわけではないので、多気筒エンジンにもフライホイールは必要不可欠なパーツです。

このフライホイールはマニュアル車のみにありますが、オートマ車ではトルクコンバータがこの役割を担います。

力をクラッチディスクに伝える

フライホイール

フライホイールには、エンジンの回転ムラを抑える役割の他に、力をトランスミッションにある、クラッチディスクに伝える役割もあります。ラッチペダルを踏み込むことによって、フライホイールと、クラッチディスクがくっついたり離れたりします。これによって力が伝わる量をコントロールします。

エンジンをかけるのに使う

スタータモーター

車のスタートボタンを押したり、鍵を差し込んでひねると、「キュルルルー」とか「ドッキャッキャ」と音を立ててエンジンがかかります。この音の正体はスタータモーターが回っている音です。

マニュアル車のエンジンをかけるときは、このスタータモーターによって、フライホイールの外周にある、リングギアと呼ばれるギアを回して、噛み合ってるフライホイールを回しています。

この記事を書いた人
自動車ライター
YOSHIKI

1999年 東京生まれ。幼少期を自動車大国アメリカで過ごし、車に興味を持つ。レンタカー屋やBMW正規ディーラーを経て都内高級中古車ディーラーに勤務。愛車はGR スープラ RZ。

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