エンジンはシリンダーが何個あるか、どのように置かれているのかによって種類分けされます。そして、その種類によって性格や特徴があります。
シリンダー配列
シリンダーが2つ以上あるエンジンを多気筒エンジンと言い、その並べ方をシリンダー配列と言います。並べ方には直列型、V型、水平対向型などがあります。それぞれ見てみましょう。
直列エンジン
直列型は、その名の通り各気筒を1列に並べたものです。現在の乗用車で採用されている代表的な配列で、英語で列を意味するLINEの頭文字を取って、L型と呼ばれることもあります。軽自動車のほとんどは直列3気筒が採用されていますが、一般的な車では直列4気筒が最も多く採用されています。直列型は気筒数が増えるほど、エンジンが長く、大きくなります。大きいエンジンは車に収まりきらないので、直列2~6気筒の間で採用される事ます。
V型エンジン
V型エンジンはシリンダーをV字状になるよう2列に配置したものです。同じ気筒数なら直列型よりも全長を短くできるので、一般的に6気筒以上で採用されます。V型エンジンでは、2本のシリンダー列を持ち、このシリンダー列をバンクと呼び、バンクとバンクの間の角度ををバンク角と呼びます。このバンク角が異なれば、エンジンの音や性格も変わります。
水平対向エンジン
水平対向エンジンとは、クランクシャフトを挟んで対になるピストンが向かい合うように作動するエンジンのことです。見た目は「バンク角180度のV型エンジン」のようですが、V型の場合は向かい合ったピストン同士は左右で同じ方向に動きますが、水平対向エンジンでは向かい合うピストンは逆方向に動きます。現在、自動車で採用されている水平対向エンジンは、6気筒と4気筒です。
シリンダー数
シリンダー1つのエンジンが単気筒エンジン、2気筒なら2気筒、3気筒なら3気筒エンジン…と続きます。2気筒以上を多気筒エンジンと呼び、シリンダー配列は直列、V型、水平対向などに分かれます。例えば4気筒のエンジンで、シリンダー配列が直列なら「直列4気筒エンジン」と呼びます。
なぜ気筒を増やすのか?
気筒数を増やすことにより、エンジンが高回転で回っている時のパワーを上げる事ができ、最高速度も伸ばす事が出来ます。また、シリンダー数が多いほど振動を抑えることができるので、エンジンの回転を滑らかにすることができます。しかし、部品の数を増やすことになるので、高価になったり、パーツが増える分、整備性が悪くなります。このような背景もあり、スポーツカーや高級車では、直列6気筒エンジンや、V型12気筒エンジンなどが採用されます。
その逆もしかりで、シリンダー数が少ないほど部品の数も少なくなるので、振動を抑えることが難しくなりますが、価格を抑える事ができたり、構造がシンプルになり整備性がよくなることがメリットがあります。このような背景もあり、軽自動車では直列3気筒のエンジンが採用されています。