【理論空燃比・リッチ・リーンって?】エンジンの空燃比と計測方法

エンジンの空燃比と計測方法エンジン

空燃比とはその名の通り、空気とガソリンが混ざり合った混合気における「空気とガソリンの重量の比率」のことを空燃比といいます。この空燃比とその計測方法について見てみましょう。

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理論空燃比

エンジンの空燃比と計測方法
空燃比の雑コラ byYOSHIKI

混合気の酸素と燃料の比率で、もっとも燃焼効率の良い理想的な空燃比を理論空燃比といいます。ガソリンエンジンの理想的な空燃比は空気1に対し、ガソリンは14.7といわれています。この14.7という数値よりも大きいか、小さいかで、混合気が薄いか濃いかが分かります。

例えば、空燃比が15であれば混合気は薄く、12の場合は、空気の量が少なくて混合気は濃い状態ということになります。混合気が濃い場合をリッチ、薄い状態をリーンと呼びます。また1:8~20の範囲であれば、シリンダー内で燃焼することができます。

リッチ

リッチ

理論空燃比よりも燃料の比率が多いことをリッチと呼び、出力を稼ぎやすく発進時や加速時に用いられます。このリッチ状態だと、エンジンの熱負荷を冷却して抑えることができるので、高回転したエンジンで利用されることもあります。スポーツカーやレースカーはこのリッチ傾向にあります。

また、燃料は気化して気体にならないと燃焼できません。燃料が気化しにくい冷間始動時は空燃比はリッチになります。お金持ちという意味ではありません。

リーン

リーン

対して、理論空燃比よりも燃料が少ない状態をリーンと呼びます。このリーン状態の方が燃費が良く、排気ガスに含まれる有害物質の排出が少なくなるなどのメリットがあります。かつてはリーンバーンエンジンと呼ばれる、空燃比が20以上のエンジンが存在しました。しかし、排気ガスの浄化に使われる三元触媒は、理論空燃比の時に最も効率が高くなるので、現代のエンジンでは、理論空燃比がスタンダードです。

空燃比の計測方法

o2センサー

空燃比の計測には、主に2種類のセンサーを使用します。この2つのセンサーの特徴を見てみましょう。

O₂センサー

O₂センサーは、燃焼後の排気ガスの含まれる酸素の濃度を計測しています。排気ガスに含まれる酸素濃度を検知することで、酸素が薄いのか薄いのか、濃いのかを判断します。主にエキゾーストマニホールドや触媒の前後に設置されています。

A/Fセンサー

A/Fセンサーも排ガスの中の酸素の濃度を調べることができる部品です。酸素の濃度を計測するという意味では同じですが、A/Fセンサーの方が応答性が速く高性能です。空燃比が変化すると、電流の流れる方向や、その大きさが変化し、理論空燃比の時は電流が流れない仕組みです。

車両により、O₂センサーが2つついているもの。A/Fセンサーが2つついているもの。片一方がO₂センサーで、もう片一方がA/Fセンサーという場合もあります。

この記事を書いた人
自動車ライター
YOSHIKI

1999年 東京生まれ。幼少期を自動車大国アメリカで過ごし、車に興味を持つ。レンタカー屋やBMW正規ディーラーを経て都内高級中古車ディーラーに勤務。愛車はGR スープラ RZ。

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