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エギゾーストシステムの構成と役割

エギゾーストシステム

燃焼後のガスは、エンジンを出てすぐ車外へ放出されるわけではありません。各気筒の排気を集め、有害成分を減らし、音を抑えながら出口へ導きます。この一連の装置が排気システム、英語ではエキゾーストシステムです。

マニホールド、排気管、触媒、マフラーには、それぞれ役割があります。排気の流れだけでなく、圧力の変化、熱、振動も考えて組み合わされています。

車体下側を通る排気管

一般的な自然吸気のガソリンエンジンでは、次の経路を通ります。触媒の数と位置、消音器の配置は車種で異なります。

  1. 排気バルブが開き、燃焼後のガスが排気ポートへ出ます。
  2. 排気マニホールドが、各気筒からの排気を集めます。
  3. 触媒などの排気浄化装置で、有害成分を減らします。
  4. 排気管やマフラーを通り、音を抑えながら出口へ進みます。
  5. テールパイプから車外へ排出されます。

排気管は最後にだけ付く部品ではなく、装置と装置をつなぐ通路です。センターとリアの両方に消音器を置く構成もあり、フタバ産業の排気系部品紹介でも配置の例が見られます。

ボルトくん

マフラーを通ったら、次に触媒で浄化するの?

ギア博士

一般的な例では、エンジン側の触媒を通ってから消音器へ進みます。ただし、数や位置は車種で違うので、実際の構成を確認します。

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排気マニホールドは、脈動するガスを集める

エキゾーストマニホールド

排気マニホールドは各気筒の排気ポートにつながり、ガスを下流へ導きます。高温と圧力変動に耐える必要があり、シリンダーヘッドに集合通路を組み込む設計もあります。

排気干渉では、圧力波の届く時期が重要

排気は一定の流れではなく、気筒ごとに脈動します。ある気筒の圧力波が別の気筒のバルブ付近へ届く時期によっては、排出を妨げたり、残留ガスを増やしたりします。単にガス同士がぶつかるという説明だけでは捉えきれません。

管の長さや太さ、集合方法、気筒の組み合わせは、この波を考えて設計します。等長なら干渉が必ずなくなるわけではありません。4本を2本ずつまとめてから1本にする4-2-1なども、狙う回転域に合わせて使われます。

マツダのSKYACTIV-G技術資料では、圧力波の到達時期と残留ガスの低減を関連づけて説明しています。

ボルトくん

パイプを全部同じ長さにすれば、排気干渉はなくなるの?

ギア博士

長さだけでは決まりません。圧力波の届く時期や気筒の組み合わせ、集合方法も含めて設計します。

触媒は化学反応で減らし、センサーは状態を測る

排気浄化装置の外観例

一般的なガソリンエンジンの三元触媒は、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)の低減を受け持ちます。細かな通路を持つ基材に触媒成分を載せ、排気が接触すると反応が進む構造です。

汚れをすべてこし取るフィルターでも、排気を完全に無害にする装置でもありません。適切な温度と成分が必要で、エンジンの燃焼制御と一緒に働きます。詳しくは三元触媒の役割と構造をご覧ください。

センサーの情報を、制御と診断に使う

O₂センサーやA/Fセンサーは、排気中の酸素に関わる情報をECUへ送ります。噴射の調整や触媒の監視に使われ、触媒の前後に置く構成が一般的ですが、種類と本数は車両で違います。

センサー自体が浄化材料として働くわけではありません。状態を測り、燃焼制御や診断を支える部品です。

ボルトくん

排気についているセンサーも、ガスをきれいにしているの?

ギア博士

センサーは状態を測る部品です。その情報で噴射を調整したり触媒を監視したりしますが、化学反応を進める触媒とは役割が違います。

排気管は、熱と振動を受け止めながらつなぐ

リフト上で車体下側を点検する整備士

エキゾーストパイプは触媒やマフラーをつなぎ、出口へ排気を運びます。床、燃料タンク、足まわりなどとの距離を保ちながら、車体の下へ配置します。

エンジンは振動し、排気管は温まると伸びます。柔軟な継ぎ手や支持部品は、その動きを受け止めるためのものです。遮熱板は周辺部品や車体へ伝わる熱を抑えます。

単なる管に見えても、接続部の密閉、支持位置、車体との隙間が大切です。緩みや損傷があると、排気漏れや接触音につながります。

ボルトくん

排気管は、動かないように固く固定すればよさそうだけど?

ギア博士

エンジンの振動や、温度による管の伸びに対応する必要があります。支持部品や継ぎ手も、その動きを考えて設計されています。

マフラーは、排気の音を抑える

車両後部から出ている2本のテールパイプ

強い圧力変動を伴う排気をそのまま出すと、大きな音になります。マフラーは内部の部屋、通路、吸音材などで音を減衰させる消音器で、サイレンサーとも呼ばれます。

構造は製品で違い、すべてに同じ仕切りやグラスウールがあるわけではありません。特定の音域を整えるレゾネーターを組み合わせることもあります。

中心的な役割は消音で、COやNOxを化学反応で減らす触媒とは区別します。名称と構造の違いは、サイレンサーとマフラーの違いをご覧ください。

ボルトくん

大きなマフラーなら、排気もたくさん浄化できるの?

ギア博士

マフラーの主な役割は音を抑えることです。有害成分を化学反応で減らす役割は、触媒が受け持ちます。

ターボやディーゼルでは、途中の装置が変わる

ターボは、排気の力を過給に使う

ターボ車では排気がタービンを通り、そのエネルギーで過給機を回してから浄化装置や消音器へ進みます。マニホールドとタービンを近づけたり、一体化したりする構成もあります。

タービンを通る排気と、エンジンへ入る新しい空気は別の流路です。関係はターボチャージャーの仕組みで確認できます。

ディーゼルは、複数の後処理装置を組み合わせる

ディーゼルの排出ガス対策は、三元触媒だけではありません。酸化触媒、粒子状物質を集めるDPF、NOxを減らすSCRなどを、車種やエンジンに合わせて組み合わせます。ガソリン車にも、粒子を減らすGPFを備えるものがあります。

ボルトくん

ディーゼルも、ガソリン車と同じ触媒だけでいいの?

ギア博士

燃焼や排気の状態が違うため、酸化触媒、DPF、SCRなどを組み合わせます。実際の構成は車種ごとに異なります。

異音や排気臭がしたら、安全を確保して点検する

排気音が急に大きくなった、床下から金属音がする、車内へ排気臭が入る。こうした変化には、腐食穴、接続部の漏れ、遮熱板や支持部品の緩みなどが考えられます。

車内で排気臭がしたら換気し、安全な場所へ停車してエンジンを止め、早めに点検を依頼してください。一酸化炭素は無色・無臭なので、臭わなければ安全とも判断できません。

運転直後の排気系は高温です。素手で触ったり、エンジンをかけたまま狭い車庫で調べたりしないでください。

ボルトくん

臭いがなくなったら、排気漏れも直ったと思っていい?

ギア博士

一酸化炭素は臭いがないため、臭いだけでは安全を判断できません。異常に気づいたら、早めに点検を受けてください。

排気システムは、集めるマニホールド、浄化する触媒、消音するマフラー、それらをつなぐ排気管で成り立ちます。流れやすさに加え、圧力波、熱、騒音、排出ガス、搭載条件も考えて設計されています。

役割を分けると、マフラーが浄化する、等長なら必ず性能が上がるといった誤解を避けながら、エンジンから出口までの流れを理解できます。

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この記事を書いた人

メカニズモ編集部

メカニズモ編集部は、自動車の仕組み・部品・メンテナンス・故障症状・修理費用について、初心者にもわかりやすく解説する編集チームです。各記事では、自動車整備に関する一般的な知識、メーカー資料、整備関連資料、公的情報などを確認しながら、できるだけ正確な情報を掲載するよう努めています。