ロータリーエンジンの仕組みと特徴|初心者向け解説

ロータリーエンジンの仕組みと特徴|初心者向け解説エンジン
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ロータリーエンジンの基本的な動作原理や特徴、利用方法、メンテナンスポイントについて、初心者にも分かりやすく解説します。自動車や航空機などの分野で広く活用されるロータリーエンジンについて詳しくご紹介します。

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ロータリーエンジンとは

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ロータリーエンジンとは、従来のピストンエンジンとは異なる構造を持つ内燃機関の一種です。ロータリーエンジンは、円筒形のローターが三角形の筒状のロータリーハウジング内を回転しながら、吸気・圧縮・燃焼・排気の一連のプロセスを実現する仕組みを持ちます。

ロータリーエンジンの特徴とメリット

ロータリーエンジンは、ピストンエンジンと比較して次のような特徴を持ちます。

コンパクトで軽量・・・ロータリーエンジンは、ピストンエンジンと比べて部品点数が少なく、コンパクトかつ軽量な構造を持ちます。そのため、同じ出力を発生する場合でも、エンジン全体のサイズが小さくなるため、車両全体の軽量化につながります。

高回転での出力が得意・・・ロータリーエンジンは、回転するローターの構造から、高回転での出力が得意です。高回転域でのパワーが強く、レスポンスが良いため、スポーツカーなどに搭載されることが多いエンジンです。

振動が少なく、静かな動作・・・ロータリーエンジンは、ピストンエンジンと比較して振動が少なく、静かな動作を実現します。そのため、高速走行時における快適性が向上し、ドライバーの疲労を軽減することができます。

以上が、ロータリーエンジンの特徴とメリットです。次に、ロータリーエンジンの仕組みについて詳しく解説していきます。

ロータリーエンジンの仕組み

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ロータリーエンジンは、主に以下の部品から構成されています。

  1. インテークポート
  2. 排気ポート
  3. ステーターハウジング
  4. チャンバー
  5. ピニオン
  6. ローター
  7. クラウンギア
  8. エキセントリックシャフト
  9. スパークプラグ

ロータリーハウジングは、三角形の筒状のハウジングで、ローターが内部を回転する構造を持ちます。ローターは、三角形の板状の部品で、ロータリーハウジング内を回転しながら気体を移動させます。ステーショナリーギアは、ローターと歯車状に噛み合う構造で、ローターの回転運動をエンジンの出力に変換します。

ロータリーエンジンの動作原理

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ロータリーエンジンは、従来のピストンエンジンとは異なる動作原理を持ちます。ローターが回転することで、吸気・圧縮・燃焼・排気の一連のプロセスを実現します。このプロセスは、ローターが内部を回転することで、エンジンの各部品と連動し、気体を移動させることで実現されます。

ロータリーエンジンの吸気・圧縮・燃焼・排気のプロセス

ロータリーエンジンは、吸気・圧縮・燃焼・排気のプロセスを一気筒あたりの回転数で実現します。具体的には、ローターが内部を回転することで、吸気ポートで空気を吸い込み、圧縮ポートで圧縮し、燃焼ポートで燃料と混合して燃焼し、排気ポートで排気ガスを排出します。

このようにして、ロータリーエンジンは、従来のピストンエンジンとは異なる動作原理により、高い出力と静かな動作を実現します。

ロータリーエンジンの性能と特性

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ロータリーエンジンの出力とトルクの特性

ロータリーエンジンは、高出力・高回転が特徴的なエンジンです。一般的なピストンエンジンと比較すると、同じ排気量でもロータリーエンジンの出力が大きくなる傾向があります。また、ロータリーエンジンは、回転数が高くなるとより高い出力を発揮するという特性があります。一方、トルクは低回転域では低く、高回転域で上昇する傾向があります。

ロータリーエンジンの回転数と燃費の関係

ロータリーエンジンは、回転数が高いほどより高い出力を発揮しますが、その一方で燃費は悪化する傾向があります。一般的なピストンエンジンでは、回転数が高くなると燃費が悪化する傾向がありますが、ロータリーエンジンでは、回転数に対する燃費の悪化はより顕著です。

ロータリーエンジンの騒音と振動

ロータリーエンジンは、従来のピストンエンジンと比較して、静かな動作が特徴的です。これは、ロータリーエンジンが回転する際に、ピストンエンジンのように上下運動をする部品が存在しないためです。しかし、ロータリーエンジンの回転バランスは悪く、高回転域での振動が大きくなる傾向があります。また、エンジン内部での気体の移動が激しいため、エキゾーストサウンドもピストンエンジンとは異なる音質となります。

ロータリーエンジンの利用とメンテナンス

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ロータリーエンジンが使われる自動車メーカーと車種

ローターエンジンを搭載した代表的な車種としては、マツダの「RX-7」や「RX-8」、「コスモ」にもロータリーエンジンが搭載されていました。

ロータリーエンジンのメンテナンス方法と注意点

ロータリーエンジンのメンテナンスは、ピストンエンジンと比較するとやや特殊な方法が必要となります。具体的には、エンジンオイルの交換や点火プラグの交換などは通常のピストンエンジンと同様ですが、ロータリーエンジン独特の部分として、ロータリーハウジング内部にあるエンジンコアのメンテナンスがあります。エンジンコアは、エンジンオイルによって潤滑されるため、定期的なオイル交換が重要です。また、ロータリーハウジング内部にあるスパークプラグも、通常のピストンエンジンと比較して交換頻度が高くなる傾向があります。

ロータリーエンジンの故障と修理の際に注意すべきポイント

ロータリーエンジンは、ピストンエンジンと比較して部品点数が少ないため、故障の発生率は低いとされています。しかし、故障した場合の修理費用は高くなる傾向があります。修理を行う際には、ロータリーエンジンの独特な仕組みを理解している整備士に修理を依頼することが重要です。また、ロータリーエンジンは燃焼室の形状やエンジンオイルの性能など、細かい部分が性能に大きな影響を与えるため、純正部品や指定オイルを使用することが望ましいです。

まとめ

ロータリーエンジンの仕組みと特徴|初心者向け解説

ロータリーエンジンは、従来のピストンエンジンとは異なる仕組みで動くエンジンであり、高い出力を発揮する特性があります。しかし、その一方で燃費や排気ガスの点に課題があり、現在では衰退してしまいました。また、メンテナンスや修理についても、特殊な知識や技術が必要な場合があります。しかし、ロータリーエンジンはその独特な仕組みや特性が人気で、その魅力は今後も続いていくことでしょう。

この記事を書いた人
自動車ライター
YOSHIKI

1999年 東京生まれ。幼少期を自動車大国アメリカで過ごし、車に興味を持つ。レンタカー屋やBMW正規ディーラーを経て都内高級中古車ディーラーに勤務。愛車はGR スープラ RZ。

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