車の運転席には、メーターやエアコンなど、さまざまな装置が並んでいます。適当にボタンを押したら、曇ったフロントガラスを差し置いて後ろの窓だけ温まることも。
今回は、インパネなど内装の名前と役割、間違えやすい曇り取りの操作を、実物を見ながらやさしく解説します。
ダッシュボードと画面は、車の状態を確かめる場所
車の内装は、座席や内張りだけではありません。運転手が車の状態を読み取る場所や、エアコンなどを操作する場所も含まれます。名前を丸暗記するより、何をする場所かと一緒に見ると覚えやすくなります。
まずは運転席の前にある表示や操作部から見ていきましょう。メーター、中央の画面、スイッチなどがあります。ただし、画面に機能をまとめる車もあり、同じ操作が同じ場所にあるとは限りません。
インストルメントパネルとメーターパネル

Audi Q8の室内。ハンドルの奥にメーター、中央に画面と空調操作部があります。2021 Audi Q8 interior.jpg — deathpallie325 / 出典 / CC BY-SA 4.0

Perodua Axiaの車内で、サンバイザーを下ろした状態です。前から入る日差しを遮る部品で、窓の外に付くドアバイザーとは別です。2015 Perodua Axia 1.0 Standard G (120).jpg — Bindydad123 / 出典 / CC BY-SA 4.0。表示用に縮小・WebP変換。
フロントガラスの下へ広がる部分が、ダッシュボード、インストルメントパネル、略してインパネです。メーター、風の出口、スイッチ、収納などが収まります。
その中で速度と警告などを見せるのが、メーターパネルやクラスターです。回転数、燃料、電池、走れる距離など、何を出すかは車で違います。
骨格のダッシュパネルは、エンジンルームと客室の間の金属の仕切りです。見える樹脂のインパネとは、別の部品です。
警告灯・表示灯とヘッドアップディスプレイ
警告灯は異常と注意、表示灯はライトや支援機能の状態などを伝えます。同じ色でも意味と緊急度は違うので、マークと文字を説明書で確認します。
ヘッドアップディスプレイは、速度などをガラスの近くへ出す装置です。そこだけ見れば全警告と周囲が分かる、とは限りません。

2013年Toyota Priusのヘッドアップディスプレイの例。写真上部の緑色の矢印は、フロントガラスへ投影した案内です。表示できる情報や映す位置は車種で変わります。Head Up Display of a Toyota Prius.JPG — Kowloonese / 出典 / CC BY-SA 3.0
センターディスプレイ
中央の画面は、ナビ、音楽、車の設定、周りのカメラなどを表示します。インフォテインメントとも呼びます。空調を画面で動かす車もありますが、細かな設定や長い操作は止まって行います。
ボルトくん
車を替えると、スイッチを探しちゃうのは普通なの?
ハグルマ先生
配置や操作方法は車によって違います。特に曇り取りなどは、走り出す前に場所を知っておくと助かりますよ。
ステアリングまわりで、方向・灯火・ワイパーを操作する
ステアリングホイールとホーン
「ステアリングホイール」は、いつも握っているハンドルのことです。基本の仕事は、進む向きを操作すること。中央にはホーンの操作部があり、車によっては、左右の腕の部分に音量やメーター表示、運転支援のスイッチも付いています。最近のハンドルは、曲げる仕事だけでも忙しいのに、ずいぶん兼業していますね。
中央はエアバッグが開く場所でもあります。物と飾りを付けないでください。タイヤへ動きが伝わる道はステアリングシステムの構造で説明しています。
ライト・方向指示器・ワイパーのスイッチ
ライトは、前照灯や車幅灯を切り替えます。ウインカーのレバーと一体のもの、インパネのダイヤルもあります。AUTOの点灯と、ハイを自動で切り替えることは別です。
ウインカーは曲がる意思、ワイパーは水滴を払い、ウォッシャーを出す操作です。レバーの左右は、国産か輸入かで決めつけず、実物の表示を見ましょう。ライトは車の灯火の名称と役割で解説しています。

マレーシア仕様の2020年Toyota Yaris 1.5 Gの右側レバー。先端の回転式スイッチにAUTOなどの表示があり、ライトを操作する位置を見られます。左右配置と操作条件は車種によって異なります。2020 Toyota Yaris 1.5 G 86.jpg — Bindydad123 / 出典 / CC BY-SA 4.0

同じYarisの左側レバー。フロントガラスとリヤガラスのワイパーやウォッシャーを示す記号が見えます。ライトのレバーと、見た目だけで取り違えないようにします。2020 Toyota Yaris 1.5 G 85.jpg — Bindydad123 / 出典 / CC BY-SA 4.0
ハザードスイッチ
ハザードは、三角のマークが目印のことが多いです。左右のウインカーを一緒に点滅させます。初めての車は、出発前に位置を覚えておきます。
ボルトくん
ハンドルの真ん中に、ちょっと飾ってもいいの?
ハグルマ先生
エアバッグが開く場所なので、物や飾りを付けないでください。スイッチの場所も、止まって確かめましょう。

同じYarisの中央操作部。中央の吹出口の下にある、三角形のマークの丸いスイッチがハザードです。空調のスイッチとは別の位置にあります。2020 Toyota Yaris 1.5 G 71.jpg — Bindydad123 / 出典 / CC BY-SA 4.0
ペダルとセレクターで、走る・止まるを操作する
アクセル、ブレーキ、クラッチペダル

左からクラッチ、ブレーキ、アクセルを持つ足元の写真。左側の固定フットレストをクラッチと混同しないよう、実車の構成を確認します。Car pedals 20180814.jpg — Santeri Viinamäki / 出典 / CC BY-SA 4.0
普通は右がアクセル、その左がブレーキです。MTはさらに左へクラッチがあり、エンジンと変速機をつないだり切ったりします。
アクセルは、どれくらい走る力が欲しいかを伝えます。多くの車はセンサーで踏む量を読み、エンジンやモーターを調整します。踏んだ量だけで、エンジン回転数が一つに決まるわけではありません。
ブレーキは減速と停止の操作です。ハイブリッドやEVは、回生(減速する力などを使って電気を回収すること)と摩擦を合わせることがあります。車ごとの注意を確認します。
ペダルの支え方にはオルガン式と吊り下げ式があります。どちらでも、荷物やずれたマットが邪魔しないようにします。
シフトレバー、シフトノブ、セレクター

2013 Nissan Leafの操作部。セレクターの形は、棒状のレバーとは限りません。選ばれた状態は車両の表示で確認します。Nissan Leaf shifter knob.JPG — Kiwiev / 出典 / CC0
シフトレバーは段と進む方向を選び、ノブは握る部分です。ダイヤル、ボタン、ハンドル近くの操作もあり、まとめてセレクターと呼ぶことがあります。
普通のATとCVTのPは駐車、Rは後退、Nは中立、Dは前進です。ただ、すべてにPがあるわけではありません。電子式は操作後に元へ戻るものもあるので、選んだ状態はメーターで確認します。
パーキングブレーキとブレーキホールド

Saab 9-5のレバー式パーキングブレーキ。電動式やブレーキホールドとは、操作部も保持の仕組みも異なります。Handbrake lever.JPG — User Ballista on en.wikipedia / 出典 / CC BY-SA 3.0
パーキングブレーキは、駐車中に動かさないためのものです。手のレバー、足踏み、電動があります。サイドブレーキは、特に手引き式でよく使う名前です。
ブレーキホールドは、信号待ちなどの停止を助ける機能です。駐車用とは働く条件と解除が違うので、代わりにはしません。駐車はその車の手順に従います。
エンジン/パワースイッチ
始動スイッチは、エンジンをかけ、止め、電動車のシステムを走行できる状態へ切り替えます。音楽が使える電源だけと、走れる状態は別です。静かでも走れるので、READYなどの表示で見ます。

Toyota HiluxのENGINE START STOPスイッチ。ハイブリッドやEVでは名称が異なる例もあります。押す操作と、実際に選ばれる電源・始動状態を取扱説明書で確かめます。Toyota HiLux Engine Start-Stop Button.jpg — Johntorcasio / 出典 / CC BY-SA 4.0
ボルトくん
ホールドが効けば、そのまま駐車していいの?
ハグルマ先生
一時的に止める補助なので、駐車とは条件が違いますよ。駐車するときは、説明書の手順を使います。
前の曇りは風、後ろの曇りは熱線などで取る
エアコン操作部とレジスター

Honda Fitの空調操作部の実物。送風、温度、吹き出す位置などを切り替える例で、別世代のFitを含め配置は同じとは限りません。1st gen Honda Fit manual air conditioner console.jpg — Qurren / 出典 / CC BY-SA 3.0
温度、風量、風の場所、内気と外の空気を選ぶのが空調の操作部です。レジスターは、風の向きを調整する出口などを指します。
A/Cは主に、空気を冷やしたり湿気を取ったりする機能のスイッチです。風を出す送風機のオン・オフとは別です。暖房中の曇り取りなどでも組み合わせて使いますが、動き方は車で違います。中身は車のエアコンの構造で確認できます。
デフロスターとリヤガラスの曇り取り
前のデフロスターは、ガラスへ風を当てて曇りを取ります。選ぶとA/Cや外気が連動する車もあります。出口だけでなく、機能全体をそう呼ぶこともあります。
後ろは、ガラスの熱線で暖める方式が代表的です。ミラーのヒーターと一緒に動く車もあります。前後で仕組みと操作が違うので、曇ってから探す前に確認しておきます。
ボルトくん
前と後ろの曇り取りは、同じスイッチなの?
ハグルマ先生
普通は別ですよ。前は風を送り、後ろは熱線などで暖めます。仕組みも違うんです。
ミラー・収納・シートまわりの名前を知る

2004 Saab 9-3のヘッドレスト。枕のような形ですが、衝突時に頭の動きを抑えるための装備です。機構と調整方法は車種で異なります。Saab Active Head Restraint.JPG — Aaron Dominguez / 出典 / CC BY-SA 4.0
- インナーミラー:車内から後方を確認する鏡です。カメラ映像を表示するデジタル式もありますが、見える範囲や距離感は直接の視認と異なります。
- サンバイザー:日差しを遮る板です。位置を調整して使いますが、前方視界を必要以上に遮らないようにします。
- グローブボックス:助手席前などに設ける収納です。収納量と開閉状態に注意します。
- センターコンソール:前席間の部分です。収納、セレクター、カップホルダーなどが配置されます。
- ドアトリム:ドア内側の内装です。取っ手、窓のスイッチ、収納、スピーカーなどが組み込まれます。
- ヘッドレスト:頭部の後ろを支える装備です。頭を預ける枕としてだけ考えず、座席とともに説明書どおりの位置へ調整します。
ボルトくん
ヘッドレストは、頭が楽ならいいの?
ハグルマ先生
枕だけの役ではありませんよ。頭の後ろを支える装備なので、座席と合わせて、説明書の指定どおり調整します。
初めての車は、出発前に操作と足元を確認する
座席とミラーを合わせたら、メーター、足元、シフト表示、駐車ブレーキ、ライト、ワイパー、曇り取り、ハザードを確認します。説明書の各部の名称や、画像から探すページも便利です。
マットは合うものを正しい固定具で留め、重ねません。足元へ小物やボトルを置かず、エアバッグと視界を飾りでふさがないようにします。似ている操作部も、いつもの車と同じとは限りません。
ボルトくん
マットの上にもう一枚敷けば、ずれにくいんじゃないの?
ハグルマ先生
重ね敷きはしないでください。合うマットを正しく固定し、足元には小物やボトルを置かないようにしましょう。
スイッチの位置だけでなく、選んだ表示を見る
電子式のシフトは、指示した後に同じ場所へ戻ることがあります。レバーが中央だからN、とは限りません。P、R、N、Dなどの、選ばれた表示を見ます。
空調も、スイッチの灯や画面が状態を示します。曇り取りを選ぶとA/Cや外の空気へ変わるなど、別の操作に連動する場合もあります。
初めての車は、出発前に位置と表示を確かめます。走りながら探すより、止まって実物と説明書を見た方が、役割も覚えやすいです。
ボルトくん
レバーが真ん中へ戻ったら、Nなの?
ハグルマ先生
操作部が戻るだけの車もありますよ。形ではなく、メーターの選択表示を確認します。
よくある疑問
インパネとダッシュパネルは同じ?
インパネは室内の操作部、ダッシュパネルは機械室との仕切りです。どちらを指しているかを見ます。
ブレーキホールドを駐車ブレーキにできる?
ホールドと駐車用は、条件が違うので代用しません。その車の駐車手順を守ります。
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