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ハイブリッド車の仕組み|エンジンとモーターはどう分担する?

Toyota Prius (XW60) Plug-in Hybrid Automesse Ludwigsburg 2023 1X7A0093.jpg

ハイブリッド車には、エンジンとモーターが載っています。「二つ積んだなら、いつも二人がかりで全力疾走?」と思いきや、エンジンが止まったまま走る車もあります。せっかく積んだのに、いきなり出番なしです。

これは、場面に合わせて得意な方を使うため。エンジン、モーター、バッテリーの役割を分けると、ハイブリッドの動きはぐっと分かりやすくなります。

アイキャッチ:トヨタ・プリウスのプラグインハイブリッドのエンジンルーム。外部充電に対応するハイブリッド車の一例です。
Alexander-93 / 出典 / CC BY-SA 4.0(一部加工)

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ハイブリッド車は、エンジンとモーターを組み合わせて走る

プリウスの動力装置の展示。エンジンとモーターなどを組み合わせ、必要な力を作ります。
プリウスの動力装置の展示。エンジンとモーターなどを組み合わせ、必要な力を作ります。
TTTNIS / 出典 / CC0(一部加工)

ハイブリッド車は、燃料を使うエンジンと、電気を使うモーターを組み合わせた車です。一般的なガソリンハイブリッドなら、エンジンはガソリンを燃やして回転し、モーターはバッテリーなどから受け取った電気で回転します。

ただし、二つを載せる理由は、いつも両方を全力で回すためではありません。エンジンだけでは効率がよくない場面をモーターで助けたり、減速するときの力を電気として取り戻したりして、燃料の無駄を減らすためです。[3]

ここで使う走行用バッテリーは、モーターに送る電気をためる役割を持ちます。多くのハイブリッド車には、これとは別に制御装置などを動かす12Vの補機バッテリーもあります。バッテリーと一口に言っても、担当する仕事が違うんですね。

ボルトくん

エンジンとモーター、両方積めば自動的に燃費がよくなるの?

ハグルマ先生

どう使い分け、どう電気を回収するかが大切です。二つ載せただけで、エネルギーが勝手に増えるわけではありません。
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発進、加速、一定の速度で走るときで分担が変わる

プリウスの車体断面展示。エンジンと電気の装置をどう結びつけるかは、ハイブリッドの方式によって異なります。
プリウスの車体断面展示。エンジンと電気の装置をどう結びつけるかは、ハイブリッドの方式によって異なります。
TTTNIS / 出典 / CC0(一部加工)

モーターは、回り始めから回転させる力を出しやすいので、発進の助けに向いています。モーターだけで走れる方式では、電気の残量などの条件が合えば、エンジンを止めたまま静かに発進できます。どのハイブリッドでも単独でモーター走行できるわけではありません。

強く加速したいときは、エンジンとモーターを組み合わせて力を出す方式があります。また、エンジンで発電し、その電気で走行用モーターを回す方式もあります。「エンジンが動いているなら、必ずその回転が車輪へ直接届いている」とは限らないんです。[1][3]

一定の速度で走る場面では、エンジンを効率のよい条件で使うように分担を変えます。その間に発電して、必要に応じて電気をためることもあります。どの速度で何が動くかは、方式や要求する力、バッテリーの状態などで変わります。

ボルトくん

低速はモーター、高速はエンジンって丸暗記してた。

ハグルマ先生

大まかなイメージには使えても、全車共通のルールではありません。同じ速度でも、上り坂か、強く加速しているかなどで働き方は変わります。

減速するときは、走る勢いを電気に戻す

プリウスの車体・動力系の展示。回生では、車輪側の動きを発電に利用します。
プリウスの車体・動力系の展示。回生では、車輪側の動きを発電に利用します。
Cxpr / 出典 / CC BY-SA 4.0(一部加工)

普通にブレーキをかけると、走っている車のエネルギーの多くは、ブレーキの摩擦で熱になります。ハイブリッド車では、その一部を電気として回収し、バッテリーにためます。これが回生ブレーキです。

回収するときは、車輪側からモーターを回し、発電機として働かせます。発電するための抵抗で車を減速させながら、電気を取り出します。ためた電気は、次の発進や加速などに使います。「捨てていた分の一部を、あとでもう一度使う」という仕組みです。[5]

ただし、減速のエネルギーを全部回収できるわけではありません。発電や充電には損失があり、バッテリーの残量や温度でも回収できる量は変わります。摩擦のブレーキも組み合わせて止まります。無駄に加速して回生を増やしても得にはなりません。

ボルトくん

回生があるなら、加速して減速すれば電気を増やせる?

ハグルマ先生

戻ってくるのは使ったエネルギーの一部です。何度も繰り返しても、無料の電気を作る永久機関にはなりません。

同じハイブリッドでも、力の通り道は一つではない

外部充電に対応させた、CSIROのプラグインハイブリッド試験車。一般的なHEVとPHEVは、外部から充電できるかどうかでも区別します。
外部充電に対応させた、CSIROのプラグインハイブリッド試験車。一般的なHEVとPHEVは、外部から充電できるかどうかでも区別します。
division, CSIRO / 出典 / CC BY 3.0(一部加工)

方式を見分けるときは、「エンジンの回転が車輪へ直接届く道があるか」を考えると整理できます。シリーズ方式では、エンジンは発電を担当し、車輪を回すのはモーターです。例えばトヨタのe-SMARTハイブリッドは、この考え方を使っています。[2]

一方、エンジンの力で車輪を回し、モーターが助けるパラレル方式や、発電と車輪への駆動を組み合わせる方式もあります。Hondaのe:HEVは主にモーターで走り、条件に応じてエンジンを車輪側へつなぐ道も使います。トヨタのTHSでは、歯車による動力分割機構を使って、エンジンの力を発電側と車輪側へ分けます。[1][4]

さらに、外部の電源から充電できるのがプラグインハイブリッドです。通常のハイブリッドとの違いは、充電口から電気を足せること。方式の名前を暗記するより、まず「エンジンは何を回す? 電気はどこから来る?」と追うと、中身が見えてきます。変速の呼び名が気になったら、ベルト式CVTと電気式CVTの違いも参考になります。

ボルトくん

ハイブリッドって書いてあれば、中身はだいたい同じだと思ってた。

ハグルマ先生

エンジンとモーターを組み合わせる点は共通でも、力の道筋は違います。自分の車がどの方式か分かると、音や回転の変わり方にも納得しやすくなります。
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この記事を書いた人
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ハグルマ先生

メカニズモ編集長

2016年より自動車業界に携わり、輸入車ディーラーや中古車販売店などで実務経験を積む。

自動車専門ウェブメディアの運営にも携わり、業界で培った知識と講師としての経験を活かしながら、車の構造や部品、メンテナンスに関する情報を分かりやすく発信している。

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