電気自動車やハイブリッド車は、減速しながら充電することがあります。走るために電気を使ったのに、止まるときには一部を取り返す。なかなか抜け目がありません。そんな「回生ブレーキ」は、どうやって車を減速させているのでしょうか?
アイキャッチ画像:Zion C / A white car parked on the side of the road / Unsplash License。縮小・WebP形式へ変換。(16:9にトリミング)
モーターは、車輪を回すことも発電することもできる

Cxpr / TNGA platform in Toyota Prius 2016 at the Tokyo Motor Show 2015.JPG / CC BY-SA 4.0。縮小・WebP形式へ変換。
走行用モーターは、電気を受け取って回転する力を作ります。加速するときは、その力が車輪へ伝わります。では、反対に車輪の側からモーターを回すと、どうなるでしょうか。
条件を整えて制御すると、モーターを発電機として働かせられます。車が進み続けようとするエネルギーの一部を電気に変え、駆動用の電池へ戻す。このときに得られる減速力を使うのが、回生ブレーキです。[1]
モーターが勝手に無限の電気を作るのではありません。車の動きを電気へ変えるので、その分、車は減速します。「充電できる」と「速度が落ちる」は、同じエネルギーのやり取りの表と裏なんです。
普通のブレーキとの違いは、エネルギーの行き先

Renardo la vulpo / Porsche-Scheibenbremse rechts vorne, 4.jpeg / CC BY-SA 4.0。縮小・WebP形式へ変換。
ディスクブレーキなどは、パッドなどの摩擦によって車の運動エネルギーを主に熱へ変えます。回生ブレーキでは、その一部を電気として利用できる形に戻します。どちらも、車の動くエネルギーを減らしている点は同じです。
ただし、すべてのエネルギーを電池へ戻せるわけではありません。タイヤや空気の抵抗、モーターや電気回路などでの損失があり、電池に受け入れられる量にも限界があります。[1]
回収のためにわざと加速と減速を繰り返しても、使った分が丸ごと戻るわけではありません。回生があっても、無駄な加減速を減らす考え方は変わりません。
ブレーキペダルを踏むと、二つのブレーキが協力することも

Adhitya Sibikumar / Three car pedals on the floor / Unsplash License。縮小・WebP形式へ変換。
電動車には、回生ブレーキと摩擦ブレーキを組み合わせて、運転者が求める減速を作る方式があります。ペダルを踏むと、まず回生を使い、足りない分を摩擦ブレーキで補うなど、車両が配分を制御します。[1]
アクセルを戻すときにも回生を使う車がありますが、どれくらい減速するか、停止まで保持できるか、ブレーキランプがどう点くかなどは、車種や設定で異なります。アクセルから足を離すだけで、いつでも止まれると考えないでください。
モーターの回生が弱まる低速域や、強い制動が必要な場面などでは、摩擦ブレーキの役割も重要です。回生があるから、パッドやディスクの点検が不要になるわけではありません。
満充電や低温では、回生が弱くなる場合がある

Marek Studzinski / a close up of an electric car charging / Unsplash License。縮小・WebP形式へ変換。
電池の残量が多いと、電気を戻す余地が少なくなります。また、電池の温度が低い場合なども、受け入れられる電力が制限されることがあります。トヨタの電気自動車の説明書でも、こうした条件で回生による減速が弱くなる場合があると案内しています。[2]
そのため、いつもと同じアクセルの戻し方でも、減速の感じが同じとは限りません。走行前の表示や設定を確認し、周囲の状況に応じてブレーキペダルを使えるようにします。
回生は、便利なエネルギー回収の仕組みです。ただし、止まるために運転者が行う確認まで回収してくれる装置ではありません。減速の性質を知り、車両指定の使い方で利用しましょう。
よくある疑問
回生ブレーキとエンジンブレーキは同じ?
感じる減速が似ていても、主な仕組みは違います。回生は発電、エンジンブレーキはエンジンを回す抵抗などを使います。
Bにすれば一番たくさん充電できる?
Bの働きは車種で異なり、エンジンを回す減速なども組み合わせる場合があります。充電量を最大化する位置と決めつけないでください。
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参考資料
車種を指定しない基本構造の解説です。実車の操作・点検は、その車の取扱説明書に従ってください。




