車の後ろの窓には、細い横線が何本も並んでいます。ノートの罫線みたいですが、もちろん漢字の練習をする場所ではありません。あの線は何のためにあるのでしょうか?ボタンを押すと曇りが取れる仕組みを解説します。
アイキャッチ画像:Sergej ***** / Close-up of a modern car's taillight and rear window / Unsplash License。縮小・WebP形式へ変換。(16:9にトリミング)
横線は、電気でガラスを温めるためにある

Mathias Reding / a close up of a car's rear window / Unsplash License。縮小・WebP形式へ変換。
リアガラスに並ぶ細い線の多くは、曇り取り用の熱線です。スイッチを入れて電気を流すと線が発熱し、ガラスを温めます。装置はリヤウインドウデフォッガーなどと呼ばれます。[1]
曇りは、水蒸気がガラス付近で冷やされ、細かな水滴になって起こります。ガラスを温めると水滴が蒸発しやすくなり、曇りが取れる方向へ進みます。線が、水滴を吸い込んでいるわけではありません。
線が何本もあるのは、一か所だけでなく、ガラスの広い範囲へ熱を伝えるためです。ただし、ガラス内の線にはアンテナもあるので、「見えている線は全部ヒーター」とは限りません。
電気を通すと温まるのは、電気抵抗があるから

Santeri Viinamäki / Rear window heating 20180405.jpg / CC BY-SA 4.0。縮小・WebP形式へ変換。
電気を通す材料には、電流の流れを妨げる性質があります。これが電気抵抗です。熱線へ電流が流れると、電気のエネルギーの一部が熱へ変わります。リアガラスでは、この性質を利用しています。
一般的な構造では、ガラスの左右に電気を分配する部分があり、その間を複数の細い線がつないでいます。複数の線へ電気を分けて流すため、一本が切れたとき、その周辺だけ曇りが残る場合があります。実際の配線は車種により異なります。
だから、曇りの取れ方が一部分だけ違う場合は、熱線の傷や接続部分などが確認対象になります。一方、全部が取れない場合も、スイッチや作動条件、電源などを含めて調べる必要があり、ガラスだけが原因とは限りません。
前の窓の曇り取りとは、マークも働きも違う

Soupeurfaive / Rear window defrost.png / CC BY-SA 3.0。縮小・WebP形式へ変換。
リアの曇り取りは、四角い窓に上向きの矢印などを重ねたマークがよく使われます。前の窓の曇り取りは扇形の窓が目印で、一般にエアコンの風をガラスへ送ります。似た絵でも、曇りを取る方法は別なんです。
リアのスイッチを押しても、前の窓へ風が増えるとは限りません。反対に、前の曇り取りを強くしても、後ろの熱線が自動で入るとは限りません。連動の有無は車両の説明書で確認しましょう。
同じスイッチでドアミラーのヒーターも働く車があります。また、一定時間で自動停止する車もあります。作動時間や、使える電源状態は車種で違うため、「何分が正常」と一律には決められません。[1]
内側を掃除するときは、細い線を傷付けない

Marco Antonio Casique Reyes / a close up of a car window with clouds in the background / Unsplash License。縮小・WebP形式へ変換。
熱線やアンテナのあるガラスの内側は、強くこすったり、硬い物で削ったりすると線を傷めるおそれがあります。トヨタの取扱説明書には、熱線などに沿って、水やぬるま湯を含ませた布で軽く拭く案内があります。清掃方法は自分の車の説明書を優先します。[2]
ステッカーやフィルムをはがすときも、熱線を一緒にはがさないよう注意が必要です。剥がれや断線の疑いがあれば、むやみに削って確認せず、施工店や整備工場へ相談しましょう。
曇りが取れたら、後方の見え方も確かめます。雪や氷で覆われた窓まで、一瞬で透明にしてくれる装置ではありません。安全に視界を確保してから走り出すことが基本です。
よくある疑問
一本だけ曇りが残ったら、ガラス交換?
熱線の状態や修理できる範囲によって対応が変わります。まず傷や断線の有無を点検してもらい、交換と決めつけないことが大切です。
熱線はずっと付けっぱなしでいい?
自動停止の有無も含め、車両指定の使い方に従います。不要になったら止めるなど、必要な場面で使いましょう。
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参考資料
車種を指定しない基本構造の解説です。実車の操作・点検は、その車の取扱説明書に従ってください。




