本文へ移動
メカニズモ
メニュー

ウインカーが曲がったあと勝手に戻るのはなぜ?

ウインカーが曲がったあと勝手に戻るのはなぜ? アイキャッチ

ウインカーを出して交差点を曲がると、レバーがカチッと戻ります。こちらは何も言っていないのに、曲がり終わったことがバレています。一体どこを見ているのでしょうか?ハンドルとウインカーのつながりを見ていきます。

アイキャッチ画像:Ningrui Zhu / A subaru car's illuminated turn signal / Unsplash License。縮小・WebP形式へ変換。(16:9にトリミング)

スポンサーリンク

昔ながらの仕組みは、ハンドルの戻りを利用する

1987年型Oldsmobile Toronadoのウインカーレバーの例。ワイパーなど他のスイッチもまとめられています。
1987年型Oldsmobile Toronadoのウインカーレバーの例。ワイパーなど他のスイッチもまとめられています。
Jacek Rużyczka / GM multi-function turn-signal lever.JPG / CC BY-SA 4.0。縮小・WebP形式へ変換。

ウインカーのレバーは、操作すると右か左の位置に保持されるものが一般的です。手を離しても点滅を続けられますが、曲がり終わるたびに戻し忘れると、周りの人には意図が伝わりにくくなります。

そこで、ハンドルの回転に連動してレバーの保持を外す、自動解除の機構が使われてきました。昔ながらの機械式では、ハンドルと一緒に回る部品と、スイッチ側の爪などを組み合わせます。車が交差点の地図を見ているわけではないんです。[1]

ポイントは、曲がる方向へ回した動きだけでなく、そのあとハンドルを戻す動きを利用することです。道路の角度を直接測るのではなく、ハンドルの動きを「曲がったあとの目印」にしています。

ボルトくん

ナビの地図を見て「はい、曲がりました」って消すのかと思った。

ハグルマ先生

昔ながらの機械式は、ハンドルの回転を利用します。交差点の位置を知る必要はありません。
スポンサーリンク

回る部品が爪に働きかけ、保持を外す

米国特許US6472623B1の図2から引用。21がハンドルと回るカム、21aが突起、24がレバー、31がラチェット本体です。回る部品からレバー側へ動きが伝わる位置関係を見てください。
米国特許US6472623B1の図2から引用。21がハンドルと回るカム、21aが突起、24がレバー、31がラチェット本体です。回る部品からレバー側へ動きが伝わる位置関係を見てください。
Tokai Rika Co., Ltd. / US6472623B1 図2 / 米国公開特許図面(USPTOの利用条件参照)。図2の図面部分を抜粋、余白調整・WebP変換。

機械式の一例では、ハンドル側にキャンセルカムと呼ばれる突起などを持つ部品があります。カムは、回転などの動きを、相手の部品を押す動きへ変えるための形です。

具体例を図で見ると、左の丸い部品21がハンドルと一緒に回るカム、突起が21a、右へ伸びる24がウインカーレバーです。突起の動きが、爪のような部品31などを介してレバー側へ伝わります。この図は一つの設計例で、細かな形や動きは車ごとに異なります。[3]

レバーを操作してハンドルを曲がる方向へ回すと、スイッチ側の機構が戻す動きに備えます。その後、ハンドルを戻すとカムが爪などに働きかけ、レバーを保持していた状態を解除します。ばねの力などでレバーが中立へ戻り、点滅が止まります。

実際のカムや爪の数、動く順番は設計によって異なります。公開特許にも複数の構造があり、「全車が同じ形の爪を同じ角度で押す」とは言えません。ここでは、ハンドルの戻りで保持を外すという基本の考え方を押さえましょう。[1]

ボルトくん

ハンドルが戻るついでに、レバーも戻すのか。ちゃっかりしてるな。

ハグルマ先生

回る部品がスイッチ側の爪などに働きかけ、レバーの保持を外す仕組みです。

ゆるいカーブや車線変更では、戻らないこともある

ハンドルを握って運転するドライバー。ゆるいカーブや車線変更では、自動解除に必要なハンドルの動きに達しない場合があります。
ハンドルを握って運転するドライバー。ゆるいカーブや車線変更では、自動解除に必要なハンドルの動きに達しない場合があります。
BAILEY MAHON / driving4 / Unsplash License。縮小・WebP形式へ変換。

機械式の自動解除では、ハンドルがある程度回ってから戻ることが必要です。小さくしか動かさない車線変更や、ゆるやかな分岐などでは、解除に必要な動きにならず、点滅が続く場合があります。

これは、装置が「進路変更を全部理解した」のではなく、決められた機械の動きに反応しているためです。操作後はメーターの表示なども確かめ、必要ならレバーを戻します。戻るはずだと決めつけないことが大切です。

一方、以前と同じ交差点・同じ操作でも急に戻らなくなった、片側だけおかしい、操作感が変わった場合は、機構の点検を相談します。小さなハンドル操作による未解除と、不具合は分けて考えます。

ボルトくん

大きく曲がると戻るのに、ちょっと曲がっただけだと知らん顔なのね。

ハグルマ先生

解除に必要なハンドルの動きに達しない場合があります。点滅が終わったか確認して、必要なら手で戻します。

電子式や軽い操作では、別の方法も使われる

ステアリングまわりの操作部の例。軽い操作で一定回数点滅する機能や、自動解除の条件は車種で異なります。
ステアリングまわりの操作部の例。軽い操作で一定回数点滅する機能や、自動解除の条件は車種で異なります。
Rana Singh / A steering wheel and dashboard of a car / Unsplash License。縮小・WebP形式へ変換。

車によっては、レバーを軽く触ると決められた回数だけ点滅する機能があります。また、操作後にレバー自体が中立へ戻るものもあり、昔ながらの機械式と、触った感覚が同じとは限りません。

電子制御を使う方式では、ハンドルの動きなどの情報と制御条件を組み合わせる場合があります。だから、ある車のレバー操作や戻し方を、別の車へそのまま当てはめないほうが確実です。

トヨタの取扱説明書でも、方向指示レバーの通常操作や車線変更時の扱いが説明されています。自分の車の操作方法を確認し、点滅が必要な場面で正しく使い、終わったら消えたことを確認しましょう。[2]

ボルトくん

前の車と同じつもりで触ったら、点滅回数が違って焦った。

ハグルマ先生

軽く触れる操作や解除条件も車種で違います。乗り換えたら、レバーの動きと表示を確認しておくと安心です。

よくある疑問

ハンドルを少し戻すだけで消えるのは故障?

解除の条件や機構は車種で異なります。いつもとの違い、左右差、操作感の変化があるかを確認し、気になる場合は点検を相談してください。

カチカチ音は、必ず機械のリレーの音?

電子的に作った作動音を使う車もあります。音がすることと、昔ながらのリレーで点滅させていることは同じではありません。

関連記事

参考資料

  1. 米国特許US5774049A:従来の自動解除機構の説明
  2. トヨタ ベルタ:方向指示レバーの使い方
  3. 米国特許US6472623B1:図2、キャンセルカムとレバーの位置関係

車種を指定しない基本構造の解説です。実車の操作・点検は、その車の取扱説明書に従ってください。

スポンサーリンク
この記事を書いた人
ハグルマ先生のイラスト

ハグルマ先生

メカニズモ編集長

2016年より自動車業界に携わり、輸入車ディーラーや中古車販売店などで実務経験を積む。

自動車専門ウェブメディアの運営にも携わり、業界で培った知識と講師としての経験を活かしながら、車の構造や部品、メンテナンスに関する情報を分かりやすく発信している。

著者プロフィール・執筆記事一覧