ヒューズは、電気が流れすぎたときに回路を切って守る部品。リレーは、電気の信号で別の回路をオン・オフする部品です。同じ箱に並んでいることがありますが、同居しているだけで仕事内容は違います。
小さな色付きの部品と、四角い黒い箱。「全部なんか電気のやつ」で片づけたくなりますが、違いが分かると、車の電装品の動き方も見えてきます。まずは、ヒューズがなぜ自分から切れるのかを見ていきましょう。
アイキャッチ:車のヒューズボックス。電気を守る部品や回路を切り替える部品が集まる。
Shixart1985 / 出典 / CC BY 2.0(一部加工)
ヒューズは、電気が流れすぎたときに通り道を切る

A7N8X / 出典 / CC BY-SA 3.0(一部加工)
電流は、電気が流れる量を表します。配線や機器には扱える電流の範囲があり、異常に大きな電流が流れると発熱し、配線などを傷めるおそれがあります。そうした過大な電流を遮断するために使うのが、ヒューズです。[1]
一般的なヒューズの中には、電気を通す金属の細い部分があります。大きすぎる電流による熱でそこが溶けると、通り道が切れ、先へ電流が流れなくなります。「壊れたせいで邪魔をした」というより、異常時に切れて守るように作られています。小さいのに、なかなか体を張る部品です。
ヒューズには10A、15Aなどの表示があります。Aはアンペアで、電流の単位です。ただし、表示値を一瞬でも超えたら即座に切れる、という単純な境界ではありません。どれくらい大きな電流が、どれくらいの時間流れたかによって動作が変わります。車が指定した種類と容量を使うことが大切です。[1][2]
リレーは、小さな電気の信号で別の回路を切り替える

Digigalos(原図・アニメーション) / 出典 / CC BY-SA 3.0(一部加工)
リレーは、電気で操作するスイッチです。代表的な電磁式では、内部のコイルに電流を流すと電磁石になり、可動部分を引き寄せます。その動きで「接点」という金属どうしが触れる場所を開け閉めし、別の回路の電気を通したり止めたりします。[3]
例えば、運転席のスイッチや制御用コンピューターから小さな電気の信号を送り、リレーの接点側で、機器に必要な大きな電流を切り替えられます。操作する側へ機器の大きな電流を直接流さずに済むのが利点です。具体的にどの機器へ使うかは車の設計によります。
ここで、リレーが電気を増やしているわけではありません。機器を動かす電力はバッテリーなどから来て、リレーはその通り道を開け閉めしています。普通のリレーはヒューズのように毎回溶けるのではなく、繰り返し切り替えられる部品です。[3]
ヒューズとリレーは、同じ回路で協力することもある

Dmitry G / 出典 / CC BY-SA 3.0(一部加工)
ある機器へ電気を送る回路を考えてみましょう。電源から来た電気が、ヒューズを通り、リレーの接点を通って、機器へ届く構成があります。ヒューズは異常な電流から守り、リレーは普段のオン・オフを担当します。実際の配置や順序は回路によって異なります。
この場合、リレーをオンにしても、ヒューズが切れていれば機器へ電気は届きません。逆に、ヒューズが正常でもリレーや配線、機器そのものに不具合があれば動きません。ライトなどが動かないとき、見えている機器だけを疑えばよいわけではないんですね。
また、すべてのスイッチ操作に四角いリレーが使われているわけではありません。接点の代わりに半導体で電気を切り替える装置もあります。電磁式の「カチッ」という音がしないだけで故障とは言えず、音がしたから電気が正常に届いたとも断定できません。[3]
大きいヒューズに替えて、切れにくくしてはいけない

Illusive255 / 出典 / CC BY-SA 4.0(一部加工)
ヒューズが何度も切れると、「もっと大きい数字のものにすればよくない?」と思うかもしれません。でも、それは守る基準を勝手に変える行為です。本来止めるべき電流を流し続け、配線などの過熱や損傷を招くおそれがあります。[2]
アルミ箔や針金でつないで、切れたヒューズの代わりにするのもいけません。電気が通れば直ったように見えても、保護する機能を失っています。火災報知器がうるさいから電池を抜くのと同じ方向の解決で、問題の本体が残ったままです。
交換する場合は、取扱説明書で場所、容量、種類、手順を確認します。指定どおりに交換してもまた切れるなら、その先の配線や機器などの原因を調べる必要があります。リレーも、外形や端子の数が同じだけで交換できるとは限りません。「刺さったから適合」は、電装品では当てにしないでください。[2][3]




