エアサスは、空気の弾力を使って車体を支えるサスペンションです。「空気であの重さを?」と思うかもしれませんが、タイヤだって空気を入れて頑張っています。空気、意外と力仕事ができます。
では、金属のばねとは何が違い、どうして車高まで変えられるのでしょうか。車が上がったり下がったりする姿だけで終わらせず、足元で何が起きているのかを見ていきましょう。
アイキャッチ:空気ばねを使うサスペンションを採用するメルセデス・ベンツSクラス(223系)。乗り心地や車高の調節に役立てている。
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金属のばねの代わりに、空気の弾力を使う

Toshinori baba / 出典 / CC BY-SA 3.0(一部加工)
サスペンションは、車体と車輪の間にあり、路面の凹凸を受け止めながらタイヤを路面へ接地させる仕組みです。その中のばねは、車体の重さを支えつつ、縮んだり伸びたりして衝撃を和らげます。
普通の乗用車でよく見るのは、金属をぐるぐる巻いたコイルばねです。エアサスでは、その代わりに、補強されたゴム製の袋などへ閉じ込めた空気を使います。この部分が「エアスプリング」、日本語では空気ばねです。風船をそのまま車の下に置いたわけではありません。[1]
段差で車輪が押し上げられると、空気ばねの中の空気が押し縮められます。押し縮められた空気は、元に戻ろうとして押し返します。この力を使って重さを支え、衝撃を受け止めているんです。金属のばねを曲げる代わりに、空気を圧縮して使うと考えましょう。
空気を出し入れすると、車体の高さを調節できる

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空気ばねに入れる空気を増やすと、車体を持ち上げる方向に働きます。逆に空気を抜くと、車体が下がる方向に動きます。金属のばねを毎回交換しなくても、空気の量を調節して車高を変えられるのが特徴です。[1][2]
空気を押し込む装置が「コンプレッサー」です。空気を圧縮するポンプだと考えると分かりやすいでしょう。圧縮した空気をためるタンクや、通り道を開け閉めするバルブを組み合わせ、必要な場所へ空気を送ります。装置の構成は車種によって異なります。
さらに、高さを調べるセンサーの情報を使い、コンピューターが空気の出し入れを調節します。いつでもコンプレッサーを回し続けているわけではなく、必要に応じて動かします。上げ下げの操作も、走行速度などによって使える範囲が決められています。[2]
人や荷物が増えても、姿勢を保ちやすい

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トランクに重い荷物を積むと、後ろのばねにかかる重さが増え、車体が沈みます。金属のばねでは、その重さとばねの押し返す力が釣り合う位置まで沈むのが基本です。
高さを自動調節するエアサスなら、センサーが車体の沈みを捉え、空気を足して元の高さへ近づけられます。荷物を降ろしたら、逆に空気を減らして整えます。高さを維持するこの働きを、車高調整やレベリングと呼びます。[2]
また、車によっては乗り降りしやすいように下げたり、路面に合わせて上げたりする機能もあります。ただし、後輪側だけが空気ばねの車もあり、すべてのエアサスが四輪を自由に動かせるわけではありません。「エアサス付き」の一言で、使える機能まで全部決まるわけではないんです。[1]
揺れを収めるダンパーも、別に必要になる

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ばねは衝撃を受け止めますが、縮んだ後に伸び、また縮むという揺れが残りやすい部品です。その動きに抵抗を与え、揺れを落ち着かせるのが「ダンパー」。ショックアブソーバーとも呼びます。空気ばねでも、この役割は必要です。
空気ばねとダンパーが一つの筒状の部品にまとまった構造もありますが、仕事は別々です。「支える・弾む」のがばね、「動きの勢いを抑える」のがダンパー。詳しくはダンパーの伸び側・縮み側で説明しています。エアサスなら必ずふわふわで快適、というわけではなく、両方の設定やタイヤも乗り味に関わります。[1]
空気漏れなどが起きれば、車高が保てなくなったり、コンプレッサーが何度も動いたりします。片側だけ大きく下がる、警告が出るなどの変化があれば点検を相談しましょう。高さが自動で変わる車の下へ、支えもなく潜るのは危険です。仕組みを知ることと、下で体を張って確かめることは別です。




