アドブルーは、一部のディーゼル車で、排気に含まれる有害なガスを減らすために使う液体です。ディーゼルエンジンは軽油を燃やして動きますが、そのときにできる排気には、そのまま外へ出したくない成分も混ざっています。
そこで、エンジンから出てきた排気の通り道へアドブルーを吹き込み、化学反応を利用して、有害な成分を窒素や水に変えます。車を走らせる燃料ではなく、走った後の排気をきれいにするための液体なんですね。
しかも、使うたびに少しずつ減るため、ときどき補充が必要です。「排気のお掃除係にも、補給がいる」というわけです。何が入っている液体なのか、どこでどんな働きをするのか、順番に見ていきましょう。
アイキャッチ:アドブルーを専用の補給機から補充している車。軽油とは別に扱う。
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アドブルーは、排気の処理に使う尿素水

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アドブルーは、純度の高い尿素を水に溶かした液体です。尿素の濃度は32.5%。ここでいう尿素は工業的に作られる成分で、誰かの尿を集めたものではありません。名前だけ聞くと一瞬身構えますが、そこは安心してください。[1]
この液体を使う目的は、ディーゼルの排気に含まれる「窒素酸化物」を減らすこと。窒素と酸素からなる成分の総称で、NOx(ノックス)とも呼びます。健康や環境への影響があるため、そのまま多く出さないように処理します。[1][2]
軽油とは役割が違うので、タンクも補給口も別です。軽油はエンジンを動かすため、アドブルーは排気の処理のために使います。燃料に混ぜる添加剤のつもりで、軽油の給油口へ入れてはいけません。補給口の場所は車種によって異なります。[2]
排気へ吹き込み、窒素酸化物を別の物質に変える

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アドブルーは、ポンプでタンクから送られ、エンジンより後ろの排気の通り道へ吹き込まれます。そこで熱などの働きによって、アンモニアという物質ができます。このアンモニアを、窒素酸化物を減らす反応に使います。[1]
次に排気が通るのが、SCR触媒(エスシーアールしょくばい)です。「触媒」は、化学反応が進みやすくなるように助けるもの。この場所でアンモニアと窒素酸化物が反応し、窒素や水へ変わります。液体をかけて汚れを洗い流しているわけではないんです。[1][2]
この一連の仕組みを「尿素SCRシステム」と呼びます。最初から全部の名前を覚える必要はありません。「専用の液を排気へ入れる→反応に使う物質を作る→触媒で窒素酸化物を減らす」という順番を押さえれば十分です。触媒という部品の考え方は触媒の仕組みでも解説しています。
反応に使って減るので、燃料とは別に補充する

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アドブルーは、排気を処理するときに少しずつ使われます。オイルのように同じ液をぐるぐる循環させ続ける仕組みではないので、タンクの残量が減り、補充が必要になります。燃料ではないのに減る理由は、ここにあります。
消費量は走り方や車の制御などで変わるため、「何km走ったら必ず何L」とは一律に決められません。残量の表示や警告に従って、余裕を持って補給しましょう。例えば日産キャラバンでは、残量低下の警告とともに、補給を促す案内が出ます。[2]
使い切ると、エンジンを止めた後に再始動できなくなる車があります。軽油が残っていても、排気を適切に処理できない状態で走り続けないようにするためです。「燃料じゃないなら後回しでいいや」が通用しないのは、このためです。必要な補給量や復帰手順は車の説明書で確認します。[2][3]
DPFとは、相手にする排気の成分が違う

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同じディーゼル車には、DPFというフィルターもあります。DPFが主に捕まえるのは、すすなどの小さな粒です。一方、アドブルーを使うSCRが減らすのは、気体の窒素酸化物。見た目の黒さだけでは分からない成分も処理しているんですね。
そのため、DPFがあるからSCRはいらない、アドブルーを入れればDPFの詰まりが直る、という関係ではありません。排気系の中で、別々の仕事を分担しています。ディーゼル車でも採用する装置は違い、すべての車にアドブルーが必要なわけではありません。
補充するときは、車に指定された品質の製品を使い、水などで薄めないでください。間違った場所へ入れた場合も、そのまま走って様子を見るのは避け、エンジンを始動せず販売店などに相談します。液体の見た目が似ていても、車の中での仕事はまるで違います。[3]




