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タイヤの構造と役割|トレッド・ビード・カーカス・サイズの読み方

溝とショルダーが見えるタイヤのトレッド
溝とショルダーが見えるタイヤのトレッド。Tire tread.jpg — Ambiguous @ Flickr (Clearly Ambiguous) / 出典 / CC BY 2.0。

車には、走る・曲がる・止まるを路面との間で受け持つ「タイヤ」が付いています。何百馬力あっても、高級なブレーキを付けても、最後に頼るのはこの黒い輪っか。車の値段が一桁増えても、路面との交渉役はゴムです。

ただし、中身はゴムだけではありません。今回は、表面の溝から内部の骨組みまで、タイヤを支える構造と役割、側面に書かれたサイズの読み方をやさしく解説します。

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タイヤは、支える・伝える・曲がる・和らげる

タイヤは、車の重さを支え、路面へ駆動やブレーキの力を伝え、曲がるための力も受け持ちます。一般的な空気入りタイヤでは、中の空気とタイヤの構造が一緒に荷重(その部分へかかる力)を支えています。

路面に触れる外側のゴムだけでなく、その内側には、繊維や金属のコードを使った層があります。ゴムの形を保ちつつ、曲がったりたわんだりできる作りです。柔らかさと丈夫さを、両方持たせているんですね。

  • 荷重を支える:車体、乗員、荷物の重さを支えます。
  • 駆動力・制動力を伝える:加速と減速に必要な力を、路面との接触部で生み出します。
  • 進行方向を保ち、変える:直進や旋回に必要な横方向の力を受け持ちます。
  • 衝撃を和らげる:段差で少しつぶれたり形が変わったりして、車へ伝わる衝撃を和らげます。

ボルトくん

ゴムを分厚くすれば、丈夫になるんじゃないの?

ハグルマ先生

ただ厚くするだけでは、重さや熱、曲がり方の問題も出ます。中の骨組みを含めて、形と動きを作っているんですよ。

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路面に触れるトレッドと、側面・内周の役割

トレッドとショルダー

トレッドと、その端にあるショルダーの実物。溝のある写真だけから、雪や雨での性能を数値判定していません。
路面に接する外周の溝
トレッドと、その端にあるショルダーの実物。溝のある写真だけから、雪や雨での性能を数値判定していません。Tire tread.jpg — Ambiguous @ Flickr (Clearly Ambiguous) / 出典 / CC BY 2.0

道路に触れる、溝のある外周部分が「トレッド」です。加速やブレーキ、曲がる力を路面へ伝える場所で、こすれや傷から中の構造を守る仕事もあります。その両端の肩に当たる部分が「ショルダー」。名前と、実物のどこなのかを合わせて見てみましょう。

溝と切れ込みは、水を逃がす、雪をつかむ、ゴムのブロックの動きを整えるなどの仕事があります。用途で形が違いますが、溝があればどんな雨でも滑らない、とは限りません。

サイドウォール

トレッド、肩、サイドウォールの境界がわかる写真。サイズ表記の全部はこの写真では読めないため、本文の205/55R16は独立した説明用の例です。
トレッドから側面へつながる部分
トレッド、肩、サイドウォールの境界がわかる写真。サイズ表記の全部はこの写真では読めないため、本文の205/55R16は独立した説明用の例です。All Season tire tread and code.JPG — Ken T1381 / 出典 / CC BY-SA 3.0

横の面がサイドウォールです。何度もたわみながら、中の骨格を守ります。メーカー、サイズ、製造時期もここへ表示します。

普段地面に当たらなくても、縁石などで傷むことがあります。一部だけ膨らむ、深い傷があるなら、空気圧が合っていても無理に走らず、専門店や救援先へ相談します。

ビード

ホイールのリムへはまる内周がビードです。強いワイヤーなどで形を保ち、骨格の端を支え、リムから外れないようにします。

チューブレスでは、ビードとリムの密着も、空気を逃がさないために大切です。ホイールは、タイヤの中に作り込んだ骨格ではなく、組み合わせる別の部品です。サイズはホイールの構造とサイズ表示で解説しています。

写真に色分けされた断面。外周の下に補強層、側面に沿う骨格、内周にビード部分があります。元画像の色は製品本来の色ではありません。
実物のタイヤ断面を色分けした画像
写真に色分けされた断面。外周の下に補強層、側面に沿う骨格、内周にビード部分があります。元画像の色は製品本来の色ではありません。PKW-Reifen Aufbau (eingefärbt).jpg — Christian Pietzsch / 出典 / CC BY-SA 3.0

ボルトくん

横が膨らんでも、空気が抜けなければ使えるの?

ハグルマ先生

空気圧だけでは決まりませんよ。一部分の膨らみや深い傷なら、無理に走らず相談してください。

内側には、骨格・補強・空気を保つ層がある

カーカスは、繊維などの細いコードを並べた骨格です。車の重さ、衝撃、内側の圧力を受け、形を支えます。ポリエステルなどを使いますが、材料は製品と用途で違います。

ベルトは、ラジアルのトレッドの下に入る補強層です。スチールコードなどで骨格を補強し、変形を抑えます。ただ、金属が入るから釘が通らない、というわけではありません。

内側のインナーライナーは、空気を通しにくいゴムの層です。チューブなしで空気を保ちます。それでも、自然に圧力が下がることを完全には防げません。

位置はブリヂストンの基本構造図でも見られます。表面にコードやワイヤーが出ていれば、守るゴムが失われた可能性があります。そのまま走らず、専門店へ相談します。

ボルトくん

金属が入ってたら、釘が刺さっても平気なの?

ハグルマ先生

骨格を補強するための金属ですよ。釘を止める装甲ではないので、パンクは起きます。

ラジアルとバイアスは、コードの並べ方が違う

ラジアルは、カーカスのコードを、片側のビードからトレッドを通って反対側のビードへ並べます。タイヤが転がる方向とほぼ直角で、横から見ると中心から外へ伸びる放射状の向きです。トレッド側をベルトで補強し、乗用車で広く使います。

バイアスは、斜めのコードの層を、交差させて重ねます。横とトレッドの動き方が違い、用途に合わせて使います。

ラジアルは、中の作りの名前です。夏用と冬用の分け方ではありません。スタッドレスにもラジアルがあります。

ボルトくん

ラジアルって、夏タイヤのことなの?

ハグルマ先生

季節ではなく、骨格の並べ方ですよ。冬のスタッドレスにも、ラジアル構造があります。

「205/55R16 91V」は、幅や荷重などの情報

205/55R16 91Vを例に、数字と文字を読みましょう。表示の例で、特定の車へ勧めるサイズではありません。

  • 205:断面幅の呼びで、単位はmmです。路面に接するトレッド幅そのものとは限りません。
  • 55:偏平率の呼びです。断面高さが断面幅の55%に相当することを表します。
  • R:ラジアル構造を示します。
  • 16:組み合わせるホイールのリム径の呼びで、単位はインチです。
  • 91:ロードインデックスです。規定条件で支えられる最大荷重を示す指数で、91kgという意味ではありません。
  • V:速度記号です。規定条件下での速度性能を表します。

速度記号は、タイヤの性能です。公道でその速度を出してよい意味ではありません。ZRを含む表記も、最後の記号まで見て確認します。対応表はヨコハマタイヤの表示の見方をご覧ください。

同じ寸法でも、荷重、速度記号、標準かエクストラロード規格かで違います。交換は数字だけ合わせず、車の指定とメーカーの適合を確かめます。

ボルトくん

91なら、91kgを支えられるの?

ハグルマ先生

ロードインデックスという指数ですよ。数字そのものがkgではないので、対応表と、決められた条件で確認します。

偏平率を下げれば、よく曲がるの?

偏平率は、幅に対する高さの割合です。同じ幅なら小さい数字ほど薄くなります。ただ、幅が違う同士は、この比率だけで高さを比べられません。

低偏平は、操作への反応をよくする設計などに使います。ただグリップは、ゴム、骨格、温度、路面、荷重も関係します。薄くするだけで、必ず性能が上がるわけではありません。

ホイールを大きくするなら、タイヤの外径、支えられる荷重、車への接触、指定の空気圧も確認します。乗り心地と、傷みにくさまで合わせて考えます。

ボルトくん

薄いタイヤにしたら、グリップもよくなるの?

ハグルマ先生

ゴムと構造、地面、温度も関係しますよ。薄さの割合だけでは、性能は決まりません。

溝、側面、空気圧をそれぞれ点検する

外周は溝と摩耗、横は傷と膨らみを見ます。空気圧は、形を眺めずゲージで測ります。丸く見えても不足する場合があるからです。測り方はタイヤの空気圧チェックの基本で説明しています。

溝があっても、傷みや劣化で使えないことがあります。構造と合わせて、タイヤ交換の判断ポイントも確認しましょう。

ボルトくん

つぶれて見えなければ、空気は足りてるの?

ハグルマ先生

見た目だけでは分からないんですよ。ゲージで測り、溝と横の傷も別に確かめます。

太いタイヤほど、必ず接地面が大きいわけではない

太くすれば、接地面もそのまま増えそうですよね。でも、重さ、空気圧、骨格、たわみも関わります。幅が変わると、面の形が変わる場合もあります。

単純に、荷重を空気の圧力で支えると考えると、3,500Nを250kPaで支える面は約140cm²です。Nは力、kPaは圧力です。実物は骨格とゴムも働き、面の圧力も均等ではないので、正確な予測ではありません。

グリップには、ゴム、温度、道、荷重の変化も関わります。この面積の式から、指定外に空気圧を下げてよいとはなりません。

ボルトくん

太いタイヤなら、地面に付く面も同じ割合で増えるの?

ハグルマ先生

幅だけでは決まりませんよ。荷重、圧力、骨格で面積と形が変わります。グリップは、ゴムと温度もそろえて比べます。

よくある疑問

タイヤのRは半径?

Rはラジアル構造です。その後の16などが、合わせるリムの直径をインチで示します。半径のRではありません。

溝があればまだ使える?

溝だけでなく、傷、一部分の膨らみ、劣化、空気圧も確認します。溝が残れば使える、とは決まりません。

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参考資料

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この記事を書いた人
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ハグルマ先生

メカニズモ編集長

2016年より自動車業界に携わり、輸入車ディーラーや中古車販売店などで実務経験を積む。

自動車専門ウェブメディアの運営にも携わり、業界で培った知識と講師としての経験を活かしながら、車の構造や部品、メンテナンスに関する情報を分かりやすく発信している。

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