エンジンは、空気とガソリンを混ぜて燃やしています。でも空気がどれだけ入ったか分からなければ、ガソリンを何杯入れればいいのかも決められません。「目分量でいけるっしょ」と豪快にやると、困るのはエンジンです。
そこで、吸い込む空気の量を測るのがエアフロセンサー。見えない空気をどうやって量るのか、その小さな部品の中をのぞいてみましょう。
アイキャッチ:吸い込む空気の量を測る、ホットフィルム式エアフロセンサーの実物。
FLOEP / 出典 / CC BY 4.0(一部加工)
エアフロセンサーは、エンジンに入る空気の量を測る

Antonín Ryska / 出典 / CC BY-SA 4.0(一部加工)
エアフロセンサーは、エンジンが吸い込む空気の量を調べ、電気信号で知らせる部品です。多くは、空気の汚れを取るエアクリーナーとエンジンの間に付いています。空気の通り道全体は吸気系の仕組みで紹介しています。
調べた量は、エンジンを制御するECUへ送ります。燃料を燃やすには空気中の酸素が必要なので、空気が増えたら、それに合わせて燃料の量も考えなければなりません。エアフロセンサーは、その計算に使う大事な情報を渡しています。[1]
ここで測りたいのは、単に空気が占めるスペースの大きさだけではありません。同じ大きさの箱でも、温度や圧力によって入っている空気の量は変わります。代表的なMAFセンサーは空気の「質量」、つまり空気がどれだけあるかを調べます。空気と燃料の割合については空燃比の記事も参考になります。
温めた部分を、空気がどれだけ冷やすかで測る

FLOEP / 出典 / CC BY 4.0(一部加工)
では、見えない空気をどうやって測るのでしょうか。代表的なのは、センサーの中の細い線や薄い膜を電気で温めておき、流れてきた空気に熱を奪わせる方法です。熱いスープに息を吹くと冷めやすくなる、あの関係を利用しています。
例えば、温めた部分と空気の温度差を一定に保つ方式では、空気が熱を奪うほど、温め直すために多くの電力が必要になります。この電気の変化から、通った空気の量を求めます。小さな羽根を風で回し、その回数を数えているわけではありません。[1][2]
線を使うものをホットワイヤー式、薄い膜を使うものをホットフィルム式と呼びます。方式名を全部覚えなくても大丈夫。「流れる空気にどれだけ熱を持っていかれたかを調べる」と押さえれば、測り方の芯はつかめます。
空気を通す量の調整と、測定は別の仕事

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空気の通り道には、スロットルという部品もあります。こちらは扉のように開き具合を変え、エンジンへ通す空気を調整します。エアフロセンサーは測る係、スロットルは通り道を開け閉めする係です。
ECUは、エアフロセンサーなどから得た情報で燃料の量を決めます。さらに燃やした後は、O₂センサーやA/Fセンサーが排気を調べます。入口で材料の量を確認し、出口で結果を確かめる、とつなげて考えると分かりやすいでしょう。
なお、どの車にも同じエアフロセンサーが付いているわけではありません。吸気管の圧力や温度、エンジンの回転数などから空気の量を計算する方式もあります。その場合も、燃料の量を勘で決めているわけではなく、別の測定値を使って求めています。[3]
汚れたり、途中から余計な空気が入ったりすると困る

Ildar Sagdejev (Specious) / 出典 / CC BY-SA 3.0(一部加工)
熱で測る部分に汚れが付くと、熱の奪われ方が変わり、正しく測れなくなることがあります。するとECUに届く情報もずれ、燃料の調整に影響します。回転が落ち着かない、加速が鈍いといった症状につながる場合があります。[1][2]
また、センサーより後ろの配管にすき間ができ、そこから空気を吸い込むこともあります。その空気はセンサーを通っていないため、「測った量」と「本当に入った量」が合いません。センサーが正常でも、途中の空気漏れで計算が狂うんです。
だから、不調が出たらセンサーだけでなく配管や配線も確認します。アイドリングの振動にも、さまざまな原因があります。測定部を綿棒でこすったり、適合しない洗浄剤を吹いたりするのも避けましょう。掃除でピカピカにして、機能まで消してしまっては本末転倒です。




