エンジンは、空気とガソリンを混ぜて燃やしています。ただし「ガソリン多めで濃い味にしとくか」という、料理が下手な人みたいな調整では困ります。
そこで、燃やした後の排気を調べて「ガソリンが多すぎない? 少なすぎない?」と確認するのが、O₂センサーやA/Fセンサーです。排気からどうやって燃え方が分かるのか、2つの違いとともにやさしく解説します。
アイキャッチ:排気の状態を調べる酸素センサーの実物例。
Martin Olsson (username 'mnemo' on en/sv wikipedia and commons, martin@minimum.se). / 出典 / CC BY-SA 3.0(一部加工)
O₂センサーは、排気に残る酸素を調べる部品

dave_7 from Lethbridge, Canada / 出典 / CC BY 2.0(一部加工)
O₂センサーは、燃料を燃やした後の排気に含まれる酸素を調べる部品です。O₂は酸素を表す記号なので、「酸素センサー」とも呼ばれます。排気管などに付いていて、先端が排気に触れるようになっています。
なぜ酸素を見るのでしょうか。ガソリンが燃えるときには、空気の中の酸素が使われます。そのため、燃やした後に酸素がどのような状態で残っているかが、空気と燃料のバランスを知る手がかりになるんです。燃料タンクの中をのぞかなくても、出口に結果が残っています。[1]
空気に対して燃料が多いことを「濃い」、少ないことを「薄い」と呼びます。この混ぜる割合が空燃比(くうねんひ)です。味の濃さではありませんが、「空気に対してガソリンをどれくらい混ぜたか」と考えると分かりやすいでしょう。排気の通り道は排気系の仕組みで確認できます。
A/Fセンサーは、どれくらい濃い・薄いかまで分かる

Hans Haase / 出典 / CC BY-SA 3.0(一部加工)
従来型のO₂センサーは、基準の混ぜ方に対して「濃い側か、薄い側か」を知らせるのが得意です。その境目の近くで信号が大きく切り替わるため、基準からどちらへずれたかを判断できます。
一方、A/Fセンサーは、より広い範囲で「どれくらい濃いか・薄いか」を調べられます。A/Fは空気と燃料を意味するAir/Fuelの略です。A/Fセンサーも酸素を利用するセンサーの仲間ですが、従来型より細かい調整に使える情報を取り出せます。[1][2]
たとえるなら、「熱いか冷たいか」を知らせるのと、「どのくらいの温度か」まで知らせるのとの違いです。もちろん排気の温度を測る比較ではなく、報告の細かさの例え。形が似ていても、車が受け取れる信号や仕様は違うため、好きな方をねじ込めばよいわけではありません。
燃やす、確かめる、次のガソリンの量を直す

Ildar Sagdejev ( Specious ) / 出典 / CC BY-SA 3.0(一部加工)
センサーの報告先は、エンジンを動かすコンピューターのECUです。ECUはまず、取り込んだ空気の量などをもとにガソリンの量を決めます。入口で空気を測る代表的な部品がエアフロセンサーです。
その燃料を燃やした後で、排気側のセンサーが結果を知らせます。例えば燃料が多すぎる側へずれていると判断したら、ECUは次の燃料を減らす方向へ修正します。「量を決める、燃やす、結果を見て直す」という繰り返しです。こうした、結果を使って調整する仕組みをフィードバック制御と呼びます。[3]
ただし、いつでも同じ混ぜ方を目指すわけではありません。始動直後や強い加速中など、状態に合わせて必要な燃料や制御の方法は変わります。「空気と燃料は、この数字に固定!」と丸暗記するより、走る状況に合わせて調整していると考えましょう。燃料が届く流れは燃料供給装置の記事で紹介しています。
触媒の前と後ろで、排気の変化も確かめる

Kim2480 / 出典 / CC BY-SA 3.0(一部加工)
排気の通り道には、有害な成分を減らす触媒(しょくばい)という装置があります。ガソリン車で使われる三元触媒は、空気と燃料の割合が適切な範囲にあると、働きやすくなります。センサーの情報で燃料を調整することは、排気をきれいにする助けにもなるんです。[3]
車によっては、この触媒の前と後ろにセンサーが付いています。一般に前側は燃料の量を整えるため、後ろ側は触媒がきちんと働いているかを確かめるために使います。後ろ側の情報を燃料の補正に使う車もあり、細かな分担は車種で変わります。
センサーに関する警告や故障コードが出ても、すぐにセンサー交換と決まるわけではありません。燃料の量が本当におかしい場合や、排気漏れ、配線の不具合などもあります。異常を見つけた部品が、異常を起こした張本人とは限らないんですね。[4]




