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バックすると音がするのはなぜ?後退ギアと車両接近通報音の違い

A close-up of a manual gear shift.jpg

駐車場でバックするときだけ、車が「ウィーン」と歌い出すことがあります。前に進むと静かなのに、後ろ向きだと急に自己主張。一体どこから音が出ているのでしょうか?今回は、ギアが生む音と、電気自動車などが意図的に出す音を分けて見ていきます。

アイキャッチ:Rを含むシフトパターンがあるマニュアル車の操作部。後退時の音は変速機の構成で異なります。
Shixart1985 / 出典 / CC BY 2.0(一部加工)

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バックの音は、全部同じ原因ではない

フォルクスワーゲン・パサートの6速MTの操作部。車内のブザーと、回転する機械の音は区別します。
フォルクスワーゲン・パサートの6速MTの操作部。車内のブザーと、回転する機械の音は区別します。
21C117 / 出典 / CC BY-SA 4.0

後退中の音には、歯車などの機械が回って生まれる音と、周囲へ車の接近を知らせるための音があります。まず、この二つを分けます。「バックで鳴る」というタイミングが同じでも、音の出どころは別なんですね。

一部のマニュアル車では、後退用のギアが回る音が目立ちます。一方、ハイブリッド車や電気自動車では、低速時に周囲へ気付いてもらうための装置が音を出します。車内の後退ブザーも、これらとは別のものです。

ここでは、走っている間に続く「ウィーン」という音を説明します。ギアを入れた瞬間の「ガリッ」、段差での「ゴトッ」、タイヤ付近のこすれる音まで同じ理由で説明することはできません。

ボルトくん

バックの音、全員同じ歌を歌ってるわけじゃないのか。

ハグルマ先生

歯車の音、外に知らせる音、運転者向けのブザーがあります。まず「いつ」「どこから」「どう鳴るか」を分けましょう。
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まっすぐな歯と、斜めの歯では、かみ合い方が違う

平歯車やはすば歯車などを並べた実物展示。歯の並び方が違うと、かみ合い始める様子も変わります。
平歯車やはすば歯車などを並べた実物展示。歯の並び方が違うと、かみ合い始める様子も変わります。
Biswarup Ganguly / 出典 / CC BY 3.0

歯車の歯が、軸の方向にまっすぐ並んでいるものを「平歯車」と呼びます。斜めにねじれたように並ぶものは「はすば歯車」です。見た目の好みで斜めにしているわけではなく、歯が接触し始める様子が違います。

はすば歯車は歯の一部から接触が始まり、接触する範囲が徐々に広がります。そのため一般に、同じような条件なら平歯車より静かな運転を狙えます。歯車メーカーのKHKも、騒音対策としてかみ合いの重なりや精度、潤滑などを挙げています。[1]

一部のMTでは、前進側とは異なる構成の平歯車を後退に使い、そのかみ合いによる振動が音として聞こえます。車速とともに音の高さが変わるのも、回る速さが変わるためです。ただし「まっすぐなら必ずうるさい」と、歯の形だけで音量を決められるわけではありません。

ボルトくん

斜めの歯は、いきなり全員でぶつからず、少しずつ参加する感じ?

ハグルマ先生

そのイメージは近いですね。ただし実際の静かさには、歯の精度や支え方、油、ケースの振動も関わります。

今の車も、後退用ギアは全部まっすぐ?

プリウスのパワートレーン展示。モーターを組み合わせる車では、MTの後退ギアとは構成が異なります。
プリウスのパワートレーン展示。モーターを組み合わせる車では、MTの後退ギアとは構成が異なります。
Cxpr / 出典 / CC BY-SA 4.0

いいえ。後退の仕組みは変速機ごとに違います。MTでも、後退側にどんな歯車や回転合わせの装置を使うかは一律ではありません。ATやCVTへ「バックの平歯車が鳴っている」と、そのまま当てはめることもできません。基本構造はMT、AT、CVTの記事で確認できます。

電気自動車の中には、走行モーターの回転方向を変えて後退するものもあります。この場合、前進と別の「バック専用の平歯車」が、音の原因とは限りません。

例えば日産リーフの車両接近通報装置は、モーター走行で気付かれにくい場面に音で接近を知らせます。後退時の作動も説明書で案内されています。これは、歯車から自然に出る音を大きく聞かせているのではありません。[2]

ボルトくん

電気自動車が鳴ってたら、歯車のせいにしちゃ駄目なのね。

ハグルマ先生

はい。車が意図的に出している音かもしれません。車種の説明書で、その音の説明があるか確かめます。

いつもの音と、点検を相談したい音を分ける

シフト操作部の例。Rへ切り替えるときは完全に停止し、その車の指定どおりに操作します。
シフト操作部の例。Rへ切り替えるときは完全に停止し、その車の指定どおりに操作します。
Maxim Hopman / 出典 / Unsplash License

以前から同じ条件で聞こえる音と、急に増えた音は分けて考えます。車種の仕様として説明されていても、新しい異音まで正常だと判断する根拠にはなりません。音だけを聞いて、特定の部品が壊れたと決めることもできません。

ギアが入りにくい、強い振動がある、金属がこすれる音がする、前進でも異音がする。こうした変化があれば、無理な走行や何度もの再現を避けて点検を相談します。録音する場合も安全に停車して行い、運転中にスマートフォンを操作しないでください。

Rへ切り替えるときは完全に停止し、車の指定どおりに操作します。MTではクラッチを確実に踏むなど、手順も必要です。音を減らそうとして、動いたまま前進と後退を切り替えるのは避けましょう。[3]

ボルトくん

音が気になるから、何回もバックして調査しようかと。

ハグルマ先生

周囲の安全が先です。無理に再現せず、初めて聞いた時期と、ギアを入れたときか走行中かを伝えるだけでも手がかりになります。
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この記事を書いた人
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ハグルマ先生

メカニズモ編集長

2016年より自動車業界に携わり、輸入車ディーラーや中古車販売店などで実務経験を積む。

自動車専門ウェブメディアの運営にも携わり、業界で培った知識と講師としての経験を活かしながら、車の構造や部品、メンテナンスに関する情報を分かりやすく発信している。

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