車のエアコンにも、フィルターが付いています。存在を忘れられがちですが、見えない場所でホコリを受け止める担当です。放置すると、車内の空気はどうなるのでしょうか?今回は、交換する理由と、においや冷えの不調を全部フィルターのせいにできない理由を解説します。
アイキャッチ:新品と使用済みの車内用フィルターの比較。左が新品、右が使用済みの例です。
Evitomotua / 出典 / CC BY-SA 2.5(一部加工)
車内へ送る空気から、ホコリなどを取り除く

Photographed by Qurren ( talk ), with IXY Digital 10 compact digital camera. / 出典 / CC BY-SA 3.0
エアコンフィルターは、車内へ送る空気の通り道に入っている部品です。折り畳んだ紙のように見える素材で、チリやホコリ、花粉などを捕まえます。折り目をたくさん作ることで、限られたスペースでも空気を通す面積を広くしています。
においの成分を吸着する活性炭入りなど、種類によって機能は違います。ただし、どんなフィルターでも全てのにおいや有害な成分を取り除けるわけではありません。外の排気ガスがある場所へ、フィルターを頼りに長く停車するような使い方は避けます。[1]
似た名前の「エンジンのエアフィルター」は、燃焼のために取り込む空気をきれいにする部品です。車内の人が吸う空気のフィルターとは、通り道も相手も別。エンジンの吸気系と混同しないようにしましょう。
汚れがたまると、空気が通りにくくなる

UnifiedFunctionality / 出典 / CC BY-SA 4.0(一部加工)
ホコリを捕まえ続けると、フィルターは目詰まりしていきます。すると、同じように送風しても空気が通りにくくなり、吹き出す風が弱くなる原因になります。デンソーも、風量が大きく落ちた場合に目詰まりの点検を勧めています。[1]
フィルターが汚れれば必ず冷媒が冷えなくなる、という意味ではありません。空気の量が減るため、車内が冷えにくく感じることがある、という関係です。「風は勢いよく出るけどぬるい」ときは、冷房側など別の原因も調べます。
フィルターは冷気を作る装置ではありません。冷房の仕組みと風の通り道を分けると、交換で改善しそうな症状と、別の点検が必要な症状を整理できます。冷房の流れはエアコンの仕組みで説明しています。 窓の曇りを取るときの操作は、曇り取り・A/C・内外気の使い分けも参考になります。
においがあるとき、交換だけで全部直る?

Elilopes / 出典 / CC BY-SA 4.0
汚れたフィルターや、捕まえた物に付いた水分などは、においの原因になる場合があります。一方、空気を冷やすエバポレーターの汚れや、車内の付着臭など、ほかの場所が原因の場合もあります。[2]
だから、交換してもにおいが残ることはあります。いつ出るのか、送風の最初だけか、内気と外気で違うかを伝えると点検の手がかりになります。燃料のような強いにおい、煙などがあるときは、消臭で済ませようとせず、安全に停止して相談してください。
また、使い捨てのフィルターを水洗いしたり、強いエアで吹いたりして再使用できるとは限りません。デンソーのクリーンエアフィルターは、どちらも不可としています。「見た目が白に戻ったから新品復活」とはいかないんですね。[1]
交換時期と品番は、自分の車に合わせて選ぶ

Cavanman / 出典 / CC BY-SA 3.0
交換時期は車や製品、使う環境で変わります。例えばデンソーは1年または10,000kmを目安として案内していますが、スズキの高機能タイプでは一般的な目安を1年または12,000kmとしています。どちらも全車共通の数値ではありません。[1][2]
まず、車種・年式・型式に適合する品番を選び、車両と製品の交換時期を確認します。砂ぼこりの多い場所などでは、早めの点検が必要な場合もあります。入っていれば何でもよいわけではなく、大きさや向きも大切です。
グローブボックスの奥にある車も多いですが、取り出し方や送風方向の表示は車種で違います。力任せにふたや内装を外さず、指定手順が分からなければ整備工場へ依頼します。交換日と距離を記録しておくと、次回も迷いにくくなります。




