満タンにした後は、なかなか減らない燃料計。ところが半分を過ぎると、急にやる気を出して減ることがあります。前半でサボった分を取り返しているのでしょうか?今回は、タンクの中の残量を測る仕組みと、表示がきっちり均等にならない理由を見ていきます。
アイキャッチ:満タン側を指している燃料計。針の動きが燃料消費量に対して均等になるとは限りません。
Tony Webster / 出典 / CC BY 2.0(一部加工)
タンクの中では、浮きが油面の高さを追いかける

Riley from Christchurch, New Zealand / 出典 / CC BY 2.0
多くの車には、燃料タンクの中に「フロート」と呼ぶ浮きが入っています。燃料が減って液面が下がれば、浮きも下がります。水に浮かべた物が、水位と一緒に上下するのと同じ考え方です。
代表的な構造では、浮きにつながった腕が動き、その位置に応じて電気の信号が変わります。その信号を使って、メーター側が残量を表示します。「燃料レベルセンサー」や「フューエルセンダー」と呼ばれる部品です。
部品メーカーのMotorserviceも、タンク内の燃料の高さを腕の動きで測る構成を紹介しています。ただし、センサーの方式や個数は車ごとに違います。燃料をエンジンへ送るポンプと一体のユニットになっているものもあります。[1]
高さが半分でも、量が半分とは限らない

brionv @ Flickr / 出典 / CC BY-SA 2.0
もしタンクが真っすぐな箱なら、液面の高さと入っている量の関係は単純です。でも実際の燃料タンクは、車体や排気管などを避けるため、複雑な形になっていることがあります。
横に広い部分では、たくさん燃料を使っても高さが少ししか変わりません。狭い部分では、同じ量を使うと高さが大きく変わります。そのため、浮きの高さだけを、そのまま残りの割合として使うことはできないんですね。
車はタンクの形などに合わせて信号を表示へ置き換えますが、燃料計は、1リットルずつ厳密に読み取る計量器ではありません。形状だけでなく、センサーや表示の調整によっても減り方は変わります。「針が半分だから、必ずタンク容量の半分」とは考えない方がよいでしょう。
坂やカーブのたびに針が踊らないようにしている

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燃料は液体なので、加速やカーブ、坂道でタンクの中を動きます。揺れるたびに浮きの信号をそのまま表示すると、燃料計の針まで忙しく動いてしまいます。運転中に、そんなライブ中継は見たくありません。
そこで、表示をゆっくり変えたり、センサー自体の急な動きを抑えたりして、短い揺れを表示へそのまま出さない構成があります。Motorserviceも、メーター側またはセンサー側で動きを抑える方式を説明しています。[1]
このような処理や、給油を判断する条件があるため、少量だけ足しても表示がすぐ変わらない場合があります。傾斜地やカーブなどで正しく表示されない場合があることも、トヨタの説明書に記載されています。ただし、どの車も同じ量の給油で更新するわけではありません。[2]
航続可能距離は「あと必ず走れる距離」ではない

Deloreanman14 / 出典 / CC BY-SA 4.0
燃料計と一緒に表示される航続可能距離は、今の残量と、これまでの燃費などから計算した目安です。タンク内の浮きが、目的地まで行けるかを直接測っているわけではありません。トヨタも、運転履歴から学習した燃費を使うと説明しています。[3]
渋滞や上り坂、気温、エアコンなどで燃費が変われば、その後に走れる距離も変わります。「残り50kmだから50km先で給油しよう」と、表示を使い切る予定は立てないようにしましょう。警告灯が点いたときの残量も車種で違います。
給油しても長く変わらない、急に空から満タンへ飛ぶ、同じ道で極端な変動を繰り返す。こうした変化は、普段と比べて販売店へ相談します。タンクを開けて浮きを手で動かす作業は、燃料漏れや火災の危険があるため自分で試さないでください。 給油ノズルが満タンで止まる仕組みは、残量を表示するセンサーとは別です。給油ノズルの自動停止で説明しています。




