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内気循環と外気導入の違い|換気・CO2・曇り・排気ガスへの注意

Honda Fitの手動式エアコン操作部
Honda Fitの手動式エアコン操作部。1st gen Honda Fit manual air conditioner console.jpg — Qurren / 出典 / CC BY-SA 3.0。

エアコンの内気循環と外気導入は、どう使い分けるのでしょうか。風が出ていても、車内の空気が同じように入れ替わるとは限りません。

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内気循環と外気導入は、空気を取り込む場所が違う

  • 内気循環:車内の空気をエアコンへ戻して利用します。すでに冷えた空気を使えるので、暑い外気を取り込み続けるより冷房の負担を減らせる場面があります。
  • 外気導入:車外の空気を取り入れ、車内の空気を入れ替えます。空気は車内を通り、車体の排気口などから外へ出ていきます。

内気循環に切り替えても、車内が完全な密閉空間になるわけではありません。車体を通じた空気の出入りや空調の自動切り替えがあり、その程度は車種や走行条件で変わります。仕組み全体は車のエアコンの冷房・暖房・除湿の仕組みで解説しています。

ボルトくん

内気循環にすると、外の空気は全く入らないの?

ハグルマ先生

車内が完全に密閉されるわけではありません。車体からの出入りや自動切り替えもあり、どれくらい入れ替わるかは車と走行条件で変わります。

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長く使うときは、CO2と湿気にも気を配る

乗員の呼吸でCO2が増えることがあります

人が乗っている車で外気との入れ替えが少ないと、呼気に含まれるCO2が蓄積します。車室の広さ、乗車人数、走行速度、送風設定、経過時間などによって濃度の変化は異なります。

車内のCO2を測ったHuddaらの研究では、換気設定の影響が大きく、複数人での長い移動などで蓄積しやすい条件が示されています。条件による違いがあるため、この研究をもとに「どの車でも何分まで」と時間を決めることはできません。

車内でCO2が増える可能性があっても、ある人の眠気や体調不良の原因がそれだと特定できるわけではありません。車内が涼しいから換気は不要、眠くないから空気は問題ない、と判断しないようにしましょう。長い移動や乗員が多いときは特に、外気が汚れていない区間で外気導入を使い、換気を確保します。

CO2とCOは、名前が似ても別の物質
名前 車内で考える主な発生源 対策を考える対象
CO2(二酸化炭素) 乗員の呼吸など 換気と車内空気の入替
CO(一酸化炭素) 燃焼で生じる排気など 排気の侵入を防ぎ、異常を点検する

湿気がこもると窓が曇りやすくなります

Audiの空調表示・操作部。写真の表示は、すべての車の自動切り替え条件を示すものではありません。
曇り取りと空調の操作部
Audiの空調表示・操作部。写真の表示は、すべての車の自動切り替え条件を示すものではありません。Aircon.audi.JPG — Mattes / 出典 / Public domain。

乗員の呼気や濡れた衣類なども、車内の湿気のもとになります。ガラスの温度と空気中の水分の条件によって、内側が曇ることがあります。これは冬だけの問題ではなく、雨の日にも起こります。

窓が曇ったらフロントデフロスターを使い、取扱説明書に従って外気導入、A/C、温度や風量を調整してください。たとえばHonda N-BOXの取扱説明書では、デフロスター操作でA/Cが作動し、外気導入へ切り替わります。曇り取りに合わせて自動で切り替わった設定を、無理に内気循環へ戻し続けないでください。

視界が確保できないまま走り続けず、安全な場所に停止して曇りを取ってください。

ボルトくん

車内が涼しくて眠くなければ、換気はいらない?

ハグルマ先生

冷え具合や眠気の有無だけでは判断できません。長い移動や乗員が多いときは特に、外気が汚れていない区間で換気を確保しましょう。

排気臭や花粉が気になる区間では、一時的に内気循環を使う

トンネル、ほこりの多い場所、排気臭の強い区間などでは、窓を閉めて内気循環を使うことで、外から入る汚れた空気を減らせます。ただし、外気中の物質を完全に遮断できる機能ではありません。

内気循環には、車内の粒子を減らしやすい一方で、CO2が蓄積しやすくなるという両面があります。車内の粒子とCO2を同時に測った実験でも、この違いが調べられています。実験で用いた内外気の混合比率は、そのまま自分の車の設定に当てはめるものではありません。

花粉対策では、内外気の切り替えだけでなく、適合するエアコンフィルターを良好な状態に保つことも重要です。捕らえられる粒子や性能は製品と状態によって違い、アレルギー症状を完全に防げるわけではありません。デンソーのフィルター製品情報にも、対象物質と試験条件ごとの性能が示されています。

外気の状態がよくなったら、換気を再開します。外気の汚れを避けることと、車内の空気を入れ替えることを、その場に合わせて両立させましょう。

ボルトくん

トンネルでは内気循環、抜けたら外気導入、でいいの?

ハグルマ先生

外の汚れた空気を減らす使い方として役立ちます。完全には遮断できませんが、外気の状態がよくなったら換気を再開しましょう。

二酸化炭素と一酸化炭素は、別の危険として考える

CO2は二酸化炭素で、車内では乗員の呼吸も発生源になります。一酸化炭素(CO)は別の気体で、エンジンの排気ガスなどに含まれる有毒な成分です。通常の冷房運転そのものが、COを発生させるわけではありません。

排気系の損傷、換気の悪い車庫、車の周囲に積もった雪などは、排気ガスがたまったり車内に入り込んだりする危険につながります。内気循環やエアコンフィルターがあっても、この危険を防げるとは考えないでください。Hondaの一酸化炭素に関する注意でも、密閉された場所や降雪時の危険が説明されています。

車内の排気臭や体調の異変が気になる場合は、内外気の切り替えだけで済ませず、安全に停車して、新鮮な空気のある安全な場所へ離れてください。頭痛や吐き気などを伴いCO中毒が疑われる場合は、119番へ連絡してください。症状だけで原因を決めつけず、医療機関の判断を受けます。出典:箕面市消防の注意喚起、日本赤十字社・ガス中毒の手当。COはにおいで安全確認できないため、排気臭がないことも安全の保証にはなりません。出典:トヨタ・排気ガスに対する注意

ボルトくん

内気循環にすれば、車庫の排気ガスも防げるの?

ハグルマ先生

安全にはなりません。換気の悪い車庫や雪に囲まれた車では排気ガスの危険があり、内気循環やフィルターに頼らないでください。

暑いとき・空気が汚れたとき・曇ったときで切り替える

  • 炎天下の駐車後:安全に窓やドアを開けられる場所で熱気を逃がし、冷房を始めます。熱気が抜けたら窓を閉め、内気循環を活用します。
  • 空気が汚れた区間:窓を閉め、必要に応じて一時的に内気循環へ。区間を抜けた後は換気を考えます。
  • 長距離・複数人での移動:冷え具合だけで判断せず、外気導入や車両の自動換気を活用します。
  • 窓が曇ったとき:曇り取りと視界の確保を優先します。

暑い車内を冷やす際の具体的な操作は、夏のカーエアコンの使い方を参考にしてください。操作前に「必ず10分待つ」など、全車共通の待ち時間を設ける必要はありません。

ボルトくん

窓が曇っても、内気循環のまま冷房を強くすればいい?

ハグルマ先生

曇ったときは視界の確保が先です。デフロスターを使い、車の説明書に従って外気導入やA/C、温度を調整してください。

眠くなったら、換気ではなく休憩を取る

窓を開ける、冷風を顔へ向ける、外気導入へ切り替えるといった操作を、休憩の代わりにしないでください。眠気や疲労を感じたら安全な場所に停車し、十分な休憩を取ってください。Hondaの取扱説明書も、眠気や疲労時は安全な場所で休憩するよう案内しています。

ボルトくん

眠くなったら、窓を開けて冷たい風を浴びれば走れる?

ハグルマ先生

換気や冷風を休憩の代わりにしないでください。安全な場所に停車して十分に休み、眠気や疲れがあるまま運転を続けないことが大切です。

フィルターで捕る粒子と、換気で薄める気体

エアコンフィルターが捕らえるものには、ほこりや花粉などの粒子があります。粒子とは空気中を漂う小さな固体や液滴です。一方、二酸化炭素は気体で、普通の粒子用フィルターで同じように取り除けるものではありません。

活性炭を使って特定の臭い成分などを減らす製品もありますが、対象物質や試験条件は製品によって違います。脱臭という表示から、COやCO2を安全な濃度に管理できると考えてはいけません。

Huddaらの研究や、粒子とCO2を同時に調べた実験は、外気との入れ替えと粒子対策が同じ結果にはならないことを示します。研究の濃度や時間を、すべての車の安全限度へ置き換えず、その場の外気と乗員の状態を見て換気を確保します。

ボルトくん

高性能フィルターなら、CO2も全部取ってくれる?

ハグルマ先生

粒子を捕る働きと、気体を管理する働きは別です。一般のフィルターに換気や排気ガスの安全対策を任せないでください。

よくある疑問

内気循環は何分で必ず危険になる?

車内の広さ、乗員、空気の出入りなどで変わるため共通の時間は決められません。研究の条件を全車の制限値として扱いません。

眠くなったら外気導入にすれば運転を続けられる?

換気を休憩の代わりにしません。安全な場所で停車し、十分に休みます。

関連記事

車のエアコンの仕組み|冷房・暖房・除湿の働き/夏の車のエアコンの使い方|車内の冷やし方と設定の確認

参考資料

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この記事を書いた人
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ハグルマ先生

メカニズモ編集長

2016年より自動車業界に携わり、輸入車ディーラーや中古車販売店などで実務経験を積む。

自動車専門ウェブメディアの運営にも携わり、業界で培った知識と講師としての経験を活かしながら、車の構造や部品、メンテナンスに関する情報を分かりやすく発信している。

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