ラジエーターは、エンジンのオーバーヒートを防ぐための重要なパーツです。もう少し詳しく見てみましょう。
ラジエーターとは
![【エンジンの冷却装置】ラジエーターの仕組み](https://meccanismo.net/wp-content/uploads/2022/12/image-2022-12-19T233912.892-1024x683.webp)
エンジンは空気とガソリンを混ぜた混合気を爆発・燃焼させて動力を作り出しています。そのため、非常に高温となるので、エンジンを保護するために冷却作業も同時に行われています。この冷却を担うのがラジエーターです。ラジエーターには冷却水と呼ばれる液体が入っており、この冷却水がエンジン内部の通路を通り、循環することでエンジンの温度を一定に保ちます。エンジンの熱を奪った冷却水は当然高熱になります。
エンジンが冷える仕組み
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ラジエーターは車体前方に取り付けられるのが一般的で、ナンバープレートの裏側あたりに配置されています。車が走り出すと、ラジエーターに走行風が当たり、ラジエーターを通る冷却水が冷やされる仕組みです。車が走行していないときは、ラジエーターファンと呼ばれる扇風機が稼働して風を送ります。冷却水の温度が一定以上にあがると、自動的にファンが回りだして、ラジエーターに風を送る仕組みです。
ラジエーターの種類
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ラジエーターは冷却液を流す方向によって、2種類に分ける事が出来ます。上から下に重力を利用して冷却水を流す「縦流れ式ラジエーター」と、横方向に高温化した冷却液を流す「横流れ式ラジエーター」の2種類です。国産車の多くは「縦流れ式ラジエーター」です。
ラジエーターの構造
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エンジンの熱を奪い、一仕事終えた高温の冷却液は、ホースを通りラジエーター上部にあるアッパータンクに溜められます。アッパータンクからはラジエーターコアと呼ばれる、冷却水を冷やしている部分を通ります。冷やされた冷却水は、ロワータンクと呼ばれる部分に溜められ、再びエンジンへと向かいます。
リザーバータンクとは
![リザーバータンク](https://meccanismo.net/wp-content/uploads/2022/12/image-2022-12-19T233906.612-1024x683.webp)
先ほどの図にもあったリザーバータンクは、冷却水を一時的にためておく予備のタンクです。エンジンが稼働してしばらくすると、冷却水は高温になり、体積が膨張します。体積が膨張すると、冷却水の流路の内圧が上がるので、このままだと破裂・破損する恐れがあります。そこで、この圧力と溢れそうになった冷却水をラジエーターとホースで繋がったリザーバータンクに逃がすことで、流路を破裂・破損から守っています。リザーバータンクに溜められた冷却水は、エンジンの温度が下がった時に、同時に下がる流路の内圧による吸い込む力によって、ラジエーターの方に戻っていきます。
冷却水を循環させるウォーターポンプ
![ウォーターポンプ](https://meccanismo.net/wp-content/uploads/2022/12/image-2022-12-19T233939.366-1024x683.webp)
ラジエーターの冷却水は、ウォーターポンプというパーツが働くことで循環しています。ウォーターポンプはエンジンの側面にあり、プーリーやベルトを通じてで稼働します。
暖気とサーモスタット
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エンジンはある程度稼働させないと適温になりません。かけ始めは燃料が気化しにくく、エンジンオイルも粘度が高い状態なので、機械的損失が増えます。また三元触媒は一定の温度に達しないと活性化しません。しかし、エンジン始動時に冷却水をラジエーター内部で循環させてしまうと、エンジンの暖機に時間がかかってしまいます。そこで、エンジンの冷却装置には暖気を早めるサーモスタットと呼ばれる部品があります。サーモスタットは、冷却水の温度に合わせて開閉することで、冷却水の通る道を調整しています。エンジン始動直後はバルブが閉じており、ラジエーターに冷却水がいかないように制御します。エンジンの温度が高くなり、冷却水の温度も上がると、バルブが少しずつ開いて、ラジエーターへ冷却水を循環させるようになります。