電動パーキングブレーキは、手でレバーを引く代わりに、モーターでブレーキをかける装置です。あの「グイッ」が小さなスイッチになったわけですが、指先の力だけで1トン以上の車を押さえているわけではありません。
しかも、隣には「HOLD」と書かれたボタンまであります。どっちも止まっている車に使うようですが、何が違うのでしょうか。ブレーキを動かす仕組みと、2つの役割を整理します。
アイキャッチ:電動パーキングブレーキとHOLDのスイッチが並ぶセンターコンソール。
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レバーを引く仕事を、電気モーターが受け持つ

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パーキングブレーキは、駐車した車が勝手に動かないようにするブレーキです。「サイドブレーキ」という呼び名で親しんでいる人も多いでしょう。昔ながらのレバー式では、人がレバーを引く力をケーブルなどで伝え、車輪側のブレーキをかけます。
電動式では、運転者がスイッチで指示を出し、電気モーターがブレーキを動かします。EPBという略称は、Electric Parking Brakeのこと。操作が軽くなり、車の状態に合わせて自動でかけたり解除したりする機能も組み合わせやすくなります。[1]
ただし、車輪を押さえる部分まで「電気だけ」になったわけではありません。モーターの力で部品を動かし、摩擦を使って車輪を止めています。ブレーキそのものの基本はブレーキの仕組み、シフトのPとの違いはPとパーキングブレーキの違いで解説しています。
モーターの回転を、パッドを押す力に変える

Pava, Milano ( from IT WIKI ) / 出典 / CC BY-SA 3.0 it(一部加工)
代表的なのが、ディスクブレーキの「キャリパー」にモーターを付ける方式です。キャリパーは、回転する円盤を両側からパッドで挟む部品。パッドは摩擦を起こす材料で、円盤を挟むと車輪が回りにくくなります。[1][2]
モーターが回ると、歯車を通してねじ状の機構が動き、パッドを押す力を作ります。ねじを回すと前後に進む性質を、強く押すために使っているんです。かけ終えた後は機械的に保持できる構造になっており、駐車中ずっとモーターを回し続けるわけではありません。[2]
別の方式では、モーターがケーブルを引いてブレーキをかけます。車種によって構造は違いますが、どちらも「人の腕や足の代わりにモーターが操作する」という考え方は共通です。普段ペダルを踏んだときのブレーキと、同じ車輪側の部品を使う場合もあります。[1]
オートホールドは、信号待ちなどの停止を助ける

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オートホールド、またはブレーキホールドは、停車した後、ペダルから足を離してもブレーキを保持する機能です。信号待ちなどで踏み続ける負担を減らします。アクセルを踏むなど、決められた発進操作をすると保持が解除されます。[3]
多くの車では、通常のブレーキにかかる液体の圧力、つまり油圧を保って車を止めます。ABSなどの油圧制御装置を利用する方式があり、電動パーキングブレーキと連携する車では、一定時間が過ぎるなどの条件で、パーキングブレーキによる保持へ切り替わります。どの条件で切り替わるかは車種で違います。[3][5]
役割で分けるなら、電動パーキングブレーキは駐車、オートホールドは運転中の一時的な停止を助ける機能です。Dレンジでじわじわ進もうとするクリープ現象があっても、ブレーキを保持して動きを抑えます。似たボタンが並んでいても、丸ごと同じ仕事ではないんですね。
「自動だから大丈夫」より、作動した表示を確認する

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電動パーキングブレーキには、Pに入れると自動でかかる機能や、発進に合わせて解除する機能を持つ車があります。ただし、すべての車がそうではなく、設定やシートベルト、ドアの状態などによっても作動条件が変わります。[3][4]
オートホールドも、スイッチを入れた待機状態と、実際にブレーキを保持している状態は別です。表示灯の意味を確認してから使いましょう。「押したつもり」「止まるはず」で足を離すのは、車との信頼関係を築く方法として少々大胆すぎます。
12Vのバッテリーが上がると、電動式の操作ができなくなる場合もあります。警告が出たときや解除できないときは、無理に走ったり分解したりせず、取扱説明書の対応を確認してください。便利な機能ほど、普段の表示と条件を知っておくと安心して使えます。[4]




