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DPFとは?ディーゼルのすすを捕まえて、どうやって処理するの?

DPF Sensoren Oxikat 039.JPG

DPFは、ディーゼル車の排気から「すす」を捕まえるフィルターです。ただし、捕まえっぱなしでは、そのうち詰まってしまいます。掃除機のゴミを一生捨てずに使うつもりなら、掃除機側も話し合いを求めてくるでしょう。

そこでDPFは、たまったすすを燃やして減らします。この掃除を「再生」と呼ぶのですが、フィルターを新品に生まれ変わらせる魔法ではありません。何を捕まえ、どう片づけているのか、順番に見ていきましょう。

アイキャッチ:DPFを含む排気浄化装置の断面展示。内部の通路で粒を捕まえる。
Michael KR / 出典 / CC BY-SA 4.0(一部加工)

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DPFは、排気に混ざった小さなすすを捕まえる

DPFの断面。細かな通路が集まったフィルターが排気の途中に入る。
DPFの断面。細かな通路が集まったフィルターが排気の途中に入る。
Hatsukari715 / 出典 / Public domain(一部加工)

ディーゼルエンジンは、熱くなるまで押し縮めた空気へ軽油を吹き込み、燃やして動きます。その燃焼でできる小さな粒の一つが「すす」です。主に炭素からできており、たくさん集まると黒い煙として見えます。

DPFは、そうした粒を外へ出しにくくする装置です。正式にはディーゼル・パティキュレート・フィルター。名前は長いですが、まずは「ディーゼルの排気用フィルター」と考えれば大丈夫です。エンジンへ入る空気をきれいにするエアクリーナーとは、付いている場所も役目も違います。[1]

代表的なDPFの中には、小さな通路がたくさん並んでいます。通路の端を交互にふさぎ、排気が細かな穴のある壁を通り抜けるようにして、すすを捕まえます。ざるの上を素通りさせるのではなく、壁を通る道筋を用意しているわけです。排気全体の通り道は排気系の仕組みで確認できます。[2]

ボルトくん

排気を全部せき止めたら、エンジンが苦しくならない?

ハグルマ先生

ガスを通しながら、粒を捕まえる構造です。ただし、すすがたまりすぎるとガスも通りにくくなるので、次の「再生」が必要になります。
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たまったすすを燃やして減らすのが「再生」

DPFの内部が見える展示。捕まえたすすは、条件を整えて再生処理する。
DPFの内部が見える展示。捕まえたすすは、条件を整えて再生処理する。
Michael KR / 出典 / CC BY-SA 4.0(一部加工)

すすには燃える性質があります。DPFの温度などの条件が整うと、すすが排気中の酸素などと反応し、主に二酸化炭素という気体に変わります。固体のすすが減るので、排気の通りやすさを取り戻せます。これがDPFの再生です。[2][3]

走っている間の排気の熱で処理が進む場合もあれば、車が意図的に温度を上げる場合もあります。後者では、例えば燃料を噴くタイミングや量を調節して、排気側に熱を送り込みます。「フィルターをブルブル振ってゴミを落とす」のではなく、熱と化学反応を使った掃除なんです。[2]

車は、フィルターの前後の圧力差や排気の温度、走行の状態などを見ながら、すすのたまり具合を判断します。圧力差は、入口と出口で排気の押す力がどれくらい違うかということ。通り道が詰まり気味になると、その差が大きくなるため、判断材料になります。[3]

ボルトくん

燃やすなら、黒い煙をまとめて外へ出すってこと?

ハグルマ先生

いいえ。捕まえたすすをそのまま吐き出すのではなく、反応させて気体に変えています。ただし、排気のすべての有害成分をDPFだけで処理できるわけではありません。

短い距離ばかりだと、掃除の条件が整いにくい

警告の内容によっては、整備工場での点検や処置が必要になる。
警告の内容によっては、整備工場での点検や処置が必要になる。
Winston Chen / 出典 / Unsplash License(一部加工)

すすを処理するには、必要な温度や時間が要ります。ところが、エンジンが十分に温まる前に毎回目的地へ着くと、条件が整わなかったり、処理の途中で走行が終わったりします。近所への短い移動を繰り返す使い方では、すすがたまりやすくなる場合があります。[1]

だからといって、「週末に適当にぶん回せば解決!」という話ではありません。警告の段階によって、説明書に沿った走行で対応できる場合もあれば、整備工場での処置が必要な場合もあります。停車して手動再生を行う仕組みを持つ車もあり、車種をまたいで同じ手順にはできません。[1][4]

表示が出たら、まず自分の車の取扱説明書で、その表示への対応を確認しましょう。再生中は排気系が高温になるため、停車場所にも注意が必要です。燃えやすい草などの上で行わず、指定された条件を守ります。「掃除しているだけ」と気軽に考えすぎないのが大切です。[4]

ボルトくん

一度だけ買い物に行ったら、もう詰まるの?

ハグルマ先生

一度の短距離走行だけで決まるわけではありません。使い方の積み重ねや車の状態が関わるので、距離の数字だけで決めつけず、車の表示を確認してください。

再生しても、燃えずに残るものはある

DPFに使われるフィルターの例。再生で除去しきれない灰もある。
DPFに使われるフィルターの例。再生で除去しきれない灰もある。
Michael KR / 出典 / CC BY-SA 4.0(一部加工)

DPFに入るのは、燃えるすすだけではありません。エンジンオイルの添加剤に由来する成分などから、再生では除去しきれない灰も残ります。すすは熱で減らせても、この灰まで同じように消せるわけではありません。[3]

そのため、長く使えば点検や専門的な清掃、交換が必要になることがあります。再生は普段のすすを処理する働きであり、「一生メンテナンス不要にする機能」ではないんですね。オイルも、車が指定する規格を守ることが大切です。

また、DPFが主に扱うのは粒状の汚れです。窒素酸化物という別の排気成分を減らす仕組みには、EGRや、アドブルーを使う尿素SCRがあります。排気をきれいにする装置は、相手にする汚れが違うため、いくつも組み合わされています。

ボルトくん

再生したら新品同様、って名前の勢いで思ってた。

ハグルマ先生

戻すのは主に「すすで通りにくくなった状態」です。灰や部品の傷みまで時間を巻き戻せるわけではない、と覚えておきましょう。
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この記事を書いた人
ハグルマ先生のイラスト

ハグルマ先生

メカニズモ編集長

2016年より自動車業界に携わり、輸入車ディーラーや中古車販売店などで実務経験を積む。

自動車専門ウェブメディアの運営にも携わり、業界で培った知識と講師としての経験を活かしながら、車の構造や部品、メンテナンスに関する情報を分かりやすく発信している。

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