本文へ移動
メカニズモ
メニュー

O₂センサー・A/Fセンサーとは?排気から何を調べているの?

Lambda sond till volvo240 etc.jpg

エンジンは、空気とガソリンを混ぜて燃やしています。ただし「ガソリン多めで濃い味にしとくか」という、料理が下手な人みたいな調整では困ります。

そこで、燃やした後の排気を調べて「ガソリンが多すぎない? 少なすぎない?」と確認するのが、O₂センサーやA/Fセンサーです。排気からどうやって燃え方が分かるのか、2つの違いとともにやさしく解説します。

アイキャッチ:排気の状態を調べる酸素センサーの実物例。
Martin Olsson (username 'mnemo' on en/sv wikipedia and commons, martin@minimum.se). / 出典 / CC BY-SA 3.0(一部加工)

スポンサーリンク

O₂センサーは、排気に残る酸素を調べる部品

排気管に取り付けられた酸素センサー。先端側が排気に触れます。
排気管に取り付けられた酸素センサー。先端側が排気に触れます。
dave_7 from Lethbridge, Canada / 出典 / CC BY 2.0(一部加工)

O₂センサーは、燃料を燃やした後の排気に含まれる酸素を調べる部品です。O₂は酸素を表す記号なので、「酸素センサー」とも呼ばれます。排気管などに付いていて、先端が排気に触れるようになっています。

なぜ酸素を見るのでしょうか。ガソリンが燃えるときには、空気の中の酸素が使われます。そのため、燃やした後に酸素がどのような状態で残っているかが、空気と燃料のバランスを知る手がかりになるんです。燃料タンクの中をのぞかなくても、出口に結果が残っています。[1]

空気に対して燃料が多いことを「濃い」、少ないことを「薄い」と呼びます。この混ぜる割合が空燃比(くうねんひ)です。味の濃さではありませんが、「空気に対してガソリンをどれくらい混ぜたか」と考えると分かりやすいでしょう。排気の通り道は排気系の仕組みで確認できます。

ボルトくん

ガソリンを直接数えるんじゃなくて、燃やした後を見てるんだ。

ハグルマ先生

はい。酸素の状態を電気の信号にして伝えます。煙の色を見たり、鼻でにおいをかいだりする部品ではありません。
スポンサーリンク

A/Fセンサーは、どれくらい濃い・薄いかまで分かる

取り外した酸素センサーの例。見た目が似ていても、信号の方式や適合は同じとは限りません。
取り外した酸素センサーの例。見た目が似ていても、信号の方式や適合は同じとは限りません。
Hans Haase / 出典 / CC BY-SA 3.0(一部加工)

従来型のO₂センサーは、基準の混ぜ方に対して「濃い側か、薄い側か」を知らせるのが得意です。その境目の近くで信号が大きく切り替わるため、基準からどちらへずれたかを判断できます。

一方、A/Fセンサーは、より広い範囲で「どれくらい濃いか・薄いか」を調べられます。A/Fは空気と燃料を意味するAir/Fuelの略です。A/Fセンサーも酸素を利用するセンサーの仲間ですが、従来型より細かい調整に使える情報を取り出せます。[1][2]

たとえるなら、「熱いか冷たいか」を知らせるのと、「どのくらいの温度か」まで知らせるのとの違いです。もちろん排気の温度を測る比較ではなく、報告の細かさの例え。形が似ていても、車が受け取れる信号や仕様は違うため、好きな方をねじ込めばよいわけではありません。

ボルトくん

どっちも同じ場所を見てるから、名前だけ違うのかと思った。

ハグルマ先生

見る対象が似ていても、分かる範囲と信号が違います。車のコンピューターに合うものを使う必要があるんです。

燃やす、確かめる、次のガソリンの量を直す

センサーの情報を受け、燃料などを調整するECUの実物例。
センサーの情報を受け、燃料などを調整するECUの実物例。
Ildar Sagdejev ( Specious ) / 出典 / CC BY-SA 3.0(一部加工)

センサーの報告先は、エンジンを動かすコンピューターのECUです。ECUはまず、取り込んだ空気の量などをもとにガソリンの量を決めます。入口で空気を測る代表的な部品がエアフロセンサーです。

その燃料を燃やした後で、排気側のセンサーが結果を知らせます。例えば燃料が多すぎる側へずれていると判断したら、ECUは次の燃料を減らす方向へ修正します。「量を決める、燃やす、結果を見て直す」という繰り返しです。こうした、結果を使って調整する仕組みをフィードバック制御と呼びます。[3]

ただし、いつでも同じ混ぜ方を目指すわけではありません。始動直後や強い加速中など、状態に合わせて必要な燃料や制御の方法は変わります。「空気と燃料は、この数字に固定!」と丸暗記するより、走る状況に合わせて調整していると考えましょう。燃料が届く流れは燃料供給装置の記事で紹介しています。

ボルトくん

最初から量を決めたのに、また見直すの?

ハグルマ先生

計算どおりになるとは限らないからです。味見せずに調味料を入れ続けるより、結果を確かめた方が調整しやすいですよね。

触媒の前と後ろで、排気の変化も確かめる

排気を浄化する触媒の実物例。前後のセンサーから、燃焼や触媒の状態を調べます。
排気を浄化する触媒の実物例。前後のセンサーから、燃焼や触媒の状態を調べます。
Kim2480 / 出典 / CC BY-SA 3.0(一部加工)

排気の通り道には、有害な成分を減らす触媒(しょくばい)という装置があります。ガソリン車で使われる三元触媒は、空気と燃料の割合が適切な範囲にあると、働きやすくなります。センサーの情報で燃料を調整することは、排気をきれいにする助けにもなるんです。[3]

車によっては、この触媒の前と後ろにセンサーが付いています。一般に前側は燃料の量を整えるため、後ろ側は触媒がきちんと働いているかを確かめるために使います。後ろ側の情報を燃料の補正に使う車もあり、細かな分担は車種で変わります。

センサーに関する警告や故障コードが出ても、すぐにセンサー交換と決まるわけではありません。燃料の量が本当におかしい場合や、排気漏れ、配線の不具合などもあります。異常を見つけた部品が、異常を起こした張本人とは限らないんですね。[4]

ボルトくん

おかしいって教えたら、自分が故障扱いされるのは気の毒だな。

ハグルマ先生

だから測定値と周囲の状態を合わせて調べます。センサーが正しく異常を知らせている場合もあるんです。
スポンサーリンク
この記事を書いた人
ハグルマ先生のイラスト

ハグルマ先生

メカニズモ編集長

2016年より自動車業界に携わり、輸入車ディーラーや中古車販売店などで実務経験を積む。

自動車専門ウェブメディアの運営にも携わり、業界で培った知識と講師としての経験を活かしながら、車の構造や部品、メンテナンスに関する情報を分かりやすく発信している。

著者プロフィール・執筆記事一覧