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アクセルを踏んでいないのに車が進むのはなぜ?クリープ現象の仕組み

アクセルを踏んでいないのに車が進むのはなぜ?クリープ現象の仕組み アイキャッチ

オートマの車は、ブレーキを離すとじわじわ進むことがあります。アクセルは踏んでいません。まだ進めとは言ってないんですが、一体どこから力が来ているのでしょうか?今回は、この「クリープ現象」の仕組みを見ていきます。

アイキャッチ画像:Zion C / creep-car3 / Unsplash License。縮小・WebP形式へ変換。(16:9にトリミング)

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じわじわ動く「クリープ現象」って何?

Audi A4のシフト操作部の例。DやRでは、アクセルを踏まなくても動こうとする車があります。操作方法は車種により異なります。
Audi A4のシフト操作部の例。DやRでは、アクセルを踏まなくても動こうとする車があります。操作方法は車種により異なります。
Acgskup / 2023 Audi A4 B9 Avant Allroad – gear selector (automatic transmission).jpg / CC BY 4.0。縮小・WebP形式へ変換。

クリープ現象は、走行する位置にシフトを入れた車が、アクセルを踏まなくても動こうとすることです。前進のDだけでなく、後退のRでも起こります。ここでは、主にトルクコンバーターを使うオートマ車から考えます。

エンジンは、アクセルから足を離しても、止まらない程度の速さで回っています。これがアイドリングです。その回転の力が変速機へ少し伝わるので、車輪も動こうとします。「アクセルを踏まない=車を進める力が完全にゼロ」ではないんですね。

車種や暖まり具合、エアコンの使用、路面の傾きなどで動き方は変わります。決まった速さで走る機能ではなく、坂道で止まったまま支えてくれる機能でもありません。[1]

ボルトくん

アクセルを踏んでないのに進むって、ちょっとせっかちじゃない?

ハグルマ先生

アクセルを離してもエンジンは回っています。その力が少し車輪へ伝わるので、止まっていたいときはブレーキが必要です。
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つながっていないのに、オイルで力が伝わる

トルクコンバーターのカットモデル。内部の羽根を持つ部品とオイルの流れで、回転する力を伝えます。
トルクコンバーターのカットモデル。内部の羽根を持つ部品とオイルの流れで、回転する力を伝えます。
No machine-readable author provided. BerndB~commonswiki assumed (based on copyright claims). / Torque-converter-cutbox-model.jpg / CC BY-SA 3.0。縮小・WebP形式へ変換。

エンジンと変速機の間には、トルクコンバーターという装置があります。内部にはオイルと、羽根を持った部品が入っています。エンジン側のポンプがオイルを流し、その流れが変速機側のタービンを押して回します。[2]

イメージとしては、風を送る扇風機と、その風で回る風車の組み合わせに近いものです。実際に使うのは空気ではなくオイルで、内部の形ももっと複雑ですが、金属同士を直結しなくても回転する力を渡せます。

ブレーキで車輪側が止まっていても、エンジン側は回り続けられます。この回転差を許せることが、停車中にエンジンが止まらず、ブレーキをゆるめると進める理由につながっています。

ボルトくん

オイルって、滑らせるだけかと思ってた。まさか車まで動かすとは。

ハグルマ先生

流れるオイルが羽根を押すんです。ここでは、流れそのものが力を伝えます。

CVTや電気自動車も、全部同じ仕組み?

Toyota Priusの車体・駆動系の展示。ハイブリッド車は、モーターによる走行と発電を組み合わせます。特定の回生部品を拡大した写真ではありません。
Toyota Priusの車体・駆動系の展示。ハイブリッド車は、モーターによる走行と発電を組み合わせます。特定の回生部品を拡大した写真ではありません。
Cxpr / TNGA platform in Toyota Prius 2016 at the Tokyo Motor Show 2015.JPG / CC BY-SA 4.0。縮小・WebP形式へ変換。

CVTは変速機の種類を表す名前で、発進時の力をどうつなぐかとは別の話です。トルクコンバーターを組み合わせるCVTもあれば、クラッチを使う構成もあります。「CVTだからクリープしない」とは言えません。

DCTなどのクラッチを使う車では、電子制御でクラッチのつなぎ方を調節し、似た動きをさせる場合があります。例えば、フォルクスワーゲンのゴルフR32やトゥーランに搭載された6速DSG(02E)がその一例です。メーカーの技術資料でも、アクセルを踏まずに少しずつ進むための制御が説明されています。[3]

また、電気自動車やハイブリッド車にも、モーターを制御して「ジワジワ進む」感覚を作る車があります。クラッチで力をつなぐ場合と、モーター自体を回す場合は、同じ動きに見えても仕組みが違います。

つまり、動きが似ていても、中の仕組みまで同じとは限りません。クリープの有無や、停止保持機能との関係は、乗る車の取扱説明書で確かめます。

ボルトくん

同じ「ジワジワ」なのに、中身は別物なの?

ハグルマ先生

はい。オイルで力を伝える車も、モーターで似た動きを作る車もあります。動きだけでは、方式までは分かりません。

停車するときは、車の「進みたい」をブレーキで受け止める

車のペダルの例。この写真は手動変速車で、左からクラッチ、ブレーキ、アクセルが並んでいます。ブレーキは中央です。
車のペダルの例。この写真は手動変速車で、左からクラッチ、ブレーキ、アクセルが並んでいます。ブレーキは中央です。
Adhitya Sibikumar / Three car pedals on the floor / Unsplash License。縮小・WebP形式へ変換。

DやRで停車するときは、ブレーキペダルを確実に踏みます。ブレーキホールドがある車でも、作動条件や解除条件は車種ごとに異なります。表示を確認し、装置が働いていると決めつけないことが大切です。[1]

車から離れるときは、クリープを使う場面ではありません。取扱説明書どおりにPや駐車ブレーキなどを使い、車が動かない状態にします。坂道でアクセルを踏み、力をつり合わせて止まり続ける使い方も避けましょう。

いつもより強く飛び出す、反応が急に変わる、警告表示がある場合は、「クリープだから正常」と片付けず点検を相談します。仕組みを知ることと、異変を我慢することは別です。

ボルトくん

足を離せば進む。なかなか油断できないね。

ハグルマ先生

停車中はブレーキで保持します。クリープが弱い日もあるので、坂道で止まるために頼るのも避けましょう。

よくある疑問

Dで進まなかったら故障?

停止保持やアイドリングストップ、車種の制御でも変わります。普段との違いと表示を確認し、取扱説明書を優先してください。

坂道でも必ず前に進む?

いいえ。傾きによる力が上回れば後ろへ動くこともあります。坂道で車を保持するためにクリープを頼りにしないでください。

関連記事

参考資料

  1. トヨタ:ピクシス エポック取扱説明書(クリープ現象)
  2. ZF:トルクコンバーターの解説
  3. Volkswagen:Self-study programme 308、DSG 02E(冊子5ページ:搭載車とクリープ制御)
  4. トヨタ:プリウス(2023年1月)取扱説明書、運転にあたって・発進するとき

車種を指定しない基本構造の解説です。実車の操作・点検は、その車の取扱説明書に従ってください。

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この記事を書いた人
ハグルマ先生のイラスト

ハグルマ先生

メカニズモ編集長

2016年より自動車業界に携わり、輸入車ディーラーや中古車販売店などで実務経験を積む。

自動車専門ウェブメディアの運営にも携わり、業界で培った知識と講師としての経験を活かしながら、車の構造や部品、メンテナンスに関する情報を分かりやすく発信している。

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