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給油がカチッと止まるのはなぜ?満タンを感知する仕組み

給油がカチッと止まるのはなぜ?満タンを感知する仕組み アイキャッチ

ガソリンを入れていると、満タン付近でノズルがカチッと止まります。こっちはタンクの中なんて見えないのに、ノズルには分かるらしい。一体どこで満タンを見抜いているのでしょうか?給油が自動で止まる仕組みを見ていきます。

アイキャッチ画像:Austin Hervias / A sports car refueling at a gas station / Unsplash License。縮小・WebP形式へ変換。(16:9にトリミング)

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ノズルの先には、空気を吸う小さな検知口がある

米国特許US9670052B2の図2から、ノズル先端部分を引用。先端の74が検知口、70が空気の通路です。燃料が出る大きな口とは別に、小さな空気の道があることを確認できます。
米国特許US9670052B2の図2から、ノズル先端部分を引用。先端の74が検知口、70が空気の通路です。燃料が出る大きな口とは別に、小さな空気の道があることを確認できます。
Veeder-Root Company / US9670052B2 図2 / 米国公開特許図面(USPTOの利用条件参照)。図2のノズル先端部分を抜粋、向き調整・WebP変換。

給油ノズルには、燃料を出す大きな通路とは別に、先端付近の小さな検知口につながる通路があります。よく使われる自動停止式では、この検知口へ空気を吸い込めるかどうかが、停止のきっかけになります。[1]

下の図では、先端付近の74が小さな検知口、そこから内部へ伸びる70が空気の通り道です。燃料が出てくる大きな口とは別になっています。まずはこの二つの番号を追うと、「どこで気付くのか」が分かりやすくなります。[5]

給油が進み、燃料が検知口を覆うと、空気を吸い込む状態が変わります。その変化を内部の機構が受けて、燃料を出す弁を閉じます。ノズルのメーカーELAFLEXも、燃料が先端の検知口へ達すると自動停止する仕組みを説明しています。[1]

つまり、車の燃料計の針を読み取って止めているわけではありません。ノズルの先で起きた変化を使うので、タンク全体の残量を直接測る仕組みとは異なります。

ボルトくん

タンクの残量を、ノズルが車に聞いてるのかと思ってた。

ハグルマ先生

一般的な自動停止は、ノズル先端付近の小さな検知口を使います。車の燃料計を読み取っているわけではありません。
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燃料の流れで吸い込みを作り、空気の通り方を見る

ベンチュリ効果を示す既存の図。上の管の細い部分では流れが速くなり、圧力が低くなります。下のU字管の液面の差は圧力差を表します。給油ノズル自体の構造図ではありません。
ベンチュリ効果を示す既存の図。上の管の細い部分では流れが速くなり、圧力が低くなります。下のU字管の液面の差は圧力差を表します。給油ノズル自体の構造図ではありません。
Gringotumadre / Ventury effect.svg / Public domain。縮小・WebP形式へ変換。

代表的なノズルでは、燃料が流れる通路の形を工夫し、その流れによって別の通路を吸い込む作用を作ります。ベンチュリ式と呼ばれる仕組みで、OPWの自動停止ノズルにも使われています。[2]

図の上側の管が細くなっている部分では、流れが速くなる一方、圧力が低くなります。下につながったU字の管の液面がずれているのは、この圧力差を示すためです。給油ノズルそのものの形ではありませんが、流れで吸い込みを作る基本を見られます。

検知口が空気中にある間は、小さな通路を通って空気を吸い込めます。燃料で口が覆われると、空気が同じようには入れなくなり、内部の圧力の状態が変わります。その変化で膜などの部品が動き、弁を開いたままにする仕掛けが解除されます。

細かな部品の形は製品で異なりますが、見るポイントは「燃料の流れを利用する」「検知口の状態が変わる」「弁が閉じる」の三つです。電池式の満タンセンサーをタンクへ差し込んでいる、と考える必要はありません。

ボルトくん

こんな小さい穴で、あの勢いの燃料を止めるんだ。

ハグルマ先生

穴の状態が変わると、弁を開いておく仕掛けが外れます。小さな変化を、燃料を止める動きにつなげています。

満タン以外でも、早めにカチッと止まることがある

給油所の燃料ノズルの実物写真。早期停止が繰り返す場合は、無理に継ぎ足さず係員へ相談します。
給油所の燃料ノズルの実物写真。早期停止が繰り返す場合は、無理に継ぎ足さず係員へ相談します。
Michael Pointner / A close-up of a gas pump nozzle at a station / Unsplash License。縮小・WebP形式へ変換。

自動停止は、タンク全体の残量を直接測っているわけではありません。そのため、ノズルの挿入状態や燃料の跳ね返りなどで、先端の検知口が早く覆われれば、十分に入る前に止まる場合もあります。OPWの資料でも、早期停止の確認項目が示されています。[3]

何度もすぐ止まる場合は、ノズルを持ち上げて自動停止をごまかすのではなく、給油を止めてスタンドの係員へ相談します。給油機や車両の不具合を、ノズルの感触だけで判断することもできません。

なお、ノズルの自動停止と、給油機で設定した金額や給油量による停止は別です。「カチッと止まる」以外にも、機器が止まる理由はあります。どの条件で止まったかを分けて考えましょう。

ボルトくん

一回止まっただけで、必ず満タンとは言い切れないのか。

ハグルマ先生

燃料の跳ね返りなどでも止まることがあります。何度もすぐ止まるときは、無理に入れず係員に相談しましょう。

止まったあとに、ぎりぎりまで継ぎ足さない

車へ挿入された給油ノズルの例。自動停止は、ノズル先端付近の検知口の状態を利用します。
車へ挿入された給油ノズルの例。自動停止は、ノズル先端付近の検知口の状態を利用します。
Rama / Petrol pump mp3h0354.jpg / CC BY-SA 2.0 fr。縮小・WebP形式へ変換。

自動停止したあと、ノズルを浮かせて少しずつ燃料を足すのは避けます。トヨタの取扱説明書でも、継ぎ足し給油をしないよう案内しています。ノズルを浮かせると自動停止が適切に働かず、燃料がこぼれるおそれがあります。[4]

燃料タンクは、液体を口までぎっしり詰める容器として使うものではありません。温度で燃料の体積が変わることや、蒸発した燃料を扱う仕組みなども関係します。目に見える給油口の高さだけで、適切な満タンを決めないでください。

給油では、エンジン停止、静電気の除去、火気厳禁など、スタンドと車両の指示を守ります。自動停止は便利ですが、給油中の確認を省いてよい装置ではありません。

ボルトくん

あと百円分だけ。タンクも頑張れば入るでしょ?

ハグルマ先生

タンクに根性論を持ち込まないでください。自動停止したあとは、無理に継ぎ足さないのが基本です。

よくある疑問

自動停止すれば、絶対にあふれない?

誤った挿入や扱い方などによって、適切に働かないおそれがあります。給油中はその場を離れず、機器と車両の指示に従ってください。

燃料計の満タン表示と、ノズルの停止は連動している?

一般的なノズルの自動停止は、車の燃料計の表示を読んでいるわけではありません。ノズル先端付近の状態を検知します。

関連記事

参考資料

  1. ELAFLEX:ZVA自動停止ノズルの説明
  2. OPW:自動停止ノズルの製品説明
  3. OPW:早期停止などの確認資料
  4. トヨタ:ピクシス メガ取扱説明書(継ぎ足し給油の注意)
  5. 米国特許US9670052B2:図2、先端の検知口74と空気の通路70

車種を指定しない基本構造の解説です。実車の操作・点検は、その車の取扱説明書に従ってください。

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この記事を書いた人
ハグルマ先生のイラスト

ハグルマ先生

メカニズモ編集長

2016年より自動車業界に携わり、輸入車ディーラーや中古車販売店などで実務経験を積む。

自動車専門ウェブメディアの運営にも携わり、業界で培った知識と講師としての経験を活かしながら、車の構造や部品、メンテナンスに関する情報を分かりやすく発信している。

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